※近親相姦 100%捏造
私の膝に横抱きにされて、彼女ははあと深い溜息を吐く。長い前髪が同じ色をした瞳に掛かり、憂いを帯びた表情を更に際立たせる。以前アマイモンが、彼女を「美味しそう」だと表現した。そのときは愚弟の発言だと受け流したが、最近になって、奴の言うことが理解できるようになった。 確かに、彼女は美味しそうだ。
「良くないことだと思うんだけどね、私」
恐らくそれは、この状況に対しての言葉。彼女が私の上から逃げない理由は明らかで、逃げないのではなく逃げられない。私の右手が彼女の腰を強く抑えている所為だ。 小さく喉で笑って、私とは違う曲線を帯びた耳を撫でる。素直に体を揺らして反応する彼女は、酷く可愛らしい。ああ美味しそうだ。
「あの人に気付かれたら殺されるんじゃないの、メフィスト」 「まさか、とっくに気付いているでしょう」 「え」 「幼い頃から隠し事ができなくて、よく泣いたものです」
さあ、と。まるで音を立てるかの如く彼女が青ざめる。"あの人"が普段彼女にどう接しているかは知らないが、少なくとも私の前では気味が悪い程に気に入っていた。とすると、青ざめる様な原因は、私やアマイモンの目の届かない場所で行われているのだろう。可哀想な彼女。助けてはやらないが。 良い香りがする首筋に顔を埋めた。彼女は抵抗する様に身動ぎして、…止めた。諦めたらしい。
「程ほどにしてよ」 「心得ました」
顰め面の顎を上げて、そのまま唇を合わせた。彼女と縺れ合うことはこれが初めてではないが、何時も思う。小さい。こんな小さい彼女が、ふたつの意味で"あの人"を受け入れているとは。人間は見掛けによらないものだ。
「父上は今頃どうしてるでしょうねえ、母上?」 「…いやなやつ」
サタンの女に手出すメフィスト aoex:メフィスト・フェレス
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