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元就とWi-Fi
元就とWi-Fi
「佐和、わいふあいとはなんぞ!」
居間で三成とノンビリコナンを観ていた私にかけられた言葉に、三成は首を傾げる。
わいふあい?…ワイフ愛?なにそれ。
「…妻を愛すること…かな?」
「なんと…!ポケモンでは嫁をめとる事も可能だったのか!?」
「えっ、ちょっと待って。本気で何の話してるの?」
「……だからわいふあいぞ」
いや、だからわいふあいってなんぞや。
「ポケセンの二階に居た奴に話しかけたら、わいふあいと言ってきおったのだ」
「ポケセンの二階?」
…ポケセン二階でわいふあい…わいふぁい…ああ、Wi-Fiか!
発音悪すぎてわからんかったわ!っていうかよく読めたな!
「独眼竜にどう読むのか聞いたら、わいふあいと言ってきた」
「わいふあいじゃなくって、ワイファイ!言ってみて」
「わいふあい」
「…わ」
「わ」
「い」
「い」
「ふぁ」
「…………ふあ」
「ここだ。発音ダメなのここだ。ファ!」
「ふあっ!!」
「ファ!」
「はぁっ!」
「ファーっ!!」
「ふあーっ!!」
「喧しい!毛利貴様わいふぁいとやらを聞きに来たのではなかったのか!?途中から只の発音練習になっているではないか!!」
三成はそう言うと、またコナンに向き直った。
はぁ、とため息をついて就にぃとダイニングテーブルに向かう。
「…うーん、三成の言うことはごもっともだし、発音練習は後にしようか」
「わいふあい…わいはい…ふあ、ふあ…」
「もういいってば。…やれやれ、三成にやかましいとか言われちゃったらおしまいだね」
「何だと貴様!!」
「では就にぃ、そこに直って」
「うむ」
「無視するなァァァ!!」
「……で、日本の色んな人とポケモン交換とかが出来るの」
「なんと…!まこと素晴らしきものよわいふあい!!」
「Wi-Fiだって」
Wi-Fiの説明をし終えて一息ついていると、佐助が茶を持ってきてくれた。
それを飲みながら、目の前で盆踊り擬きを踊りながら喜ぶ就にぃを見つめる。
「…毛利の旦那は一体何があったの?」
「かくかくWi-Fiしかじか」
「ふぅーん、またぽけもんなの。わいふぁいってのはそんなに便利なわけ?」
「便利だよー。見てごらん私の地球儀」
「わ、日ノ本全土に黄色い点がある!これ全部佐和ちゃんの領地なの?」
「領地じゃないよ友達の場所だよ」
結構な回数やったから、自然と友達も多くなるんだ。管理人はあんまやってないみたいだけどねWi-Fi。
「佐和!今すぐわいふぁいに接続ぞ!!」
「あっ!就にぃワイファイ言えたよ!!やったね!!」
……この後、色んな人とポケモン交換した就にぃが、ソルロックばかり収集することから、一部に"ソルロックマニア"と呼ばれることになるのは、別の話。
T O P