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夏の怪談大会



※怪談ネタ
※武将達が異様にビビりなので注意






────それは二度目の電話だった。


【ねぇ正人、今から会いに行っていい?私たち恋人同士でしょ?】


「嘘だ、愛…お前は死んだはずだろ」


三度目、


【今貴方の町にいるの、昔と随分変わったのね】


「やめろ…俺が悪かった!まさか死ぬなんて思ってなかったんだ…!」


四度目、


【今貴方の家の前よ。もうすぐよ、もうすぐ貴方に会えるのね、ふふ】


「やめろ…来るな…!」


───そして五度目。


「………今、貴方の後ろにいるの」


「Noooooッ!!」


『ぎゃあぁぁぁぁっ!!』



大袈裟なくらいにビビる政宗達に、してやったりと笑う。


こんばんは、怪談に定評のある佐和ちゃんだよ!嘘だよ!今夜は夏の怪談大会、と称して武将達を散々ビビらせてます。


さっきの怪談も、オチの部分をわざと政宗の耳元で言ってやったら盛大に驚いて床ローリングして壁際まで逃げてきました。あれは面白かった。



「面白かったじゃねぇよ悪趣味だな!心臓止まるかと思ったぞ!」


「酷いわ正人君、そんな風に言うなんて」


「誰が正人君だ!」


「あっ、政宗の後ろに女の人の顔が「Nooooo!!」(ゴロンゴロンゴロン)ぐえっ」


「おわっ!?」



再びローリングしてきた政宗の頭が私の腹に直撃。バランス崩して倒れた私の上半身はにーにが膝キャッチ。


結果、政宗が私に膝枕して私がにーにに膝枕するという謎の構図が完成した。


………っていうか政宗、ビビりすぎ。



「政宗重いー」


「………ぎゃあぁぁぁぁ!」ゴロンゴロン


「ちょ、何で逃げた今!そんなに嫌か私の膝枕が!」


「多分違うと思うよ」


「つーか、お前もどけよ佐和」


「ったく破廉恥な奴らでござるな毛利殿」


「全くだな。リア充焼け焦げよ」


「では某がこんがり焼いてくるでござる」


「よし、行け」


「行けじゃないよ!何してんだい二人とも!」



慶次が二人を諌めてくれたので、こんがり丸焼きの危機は去った。というか当初は何してたんだっけ、ああそうそう怪談だ。



「というわけで怪談、その2!」


「まだやる気!?」


「無論!一人でトイレ行けなくなるくらいビビらせてやる」


「なら早に止めよ。既に行けぬぐらいビビっておる故」


「平気そうに見えるけど。まあいいや、怪談スタート!」


「おいぃぃぃぃぃ!!」


―しばらくおまちください―


「………何をやっているんだ貴様ら」


「ああ三成。今ねー怪談大会やってたんだ。有りがちな話ばっかだけどね」


「……その割には奴等の容態が著しく無いようだが」


「うん。軽ーく一刻しかやってないのにねぇ」


「おい、それの何処が軽いんだ」


「ま、全くだよ…何だよ花子さんって。厠行けなくなっちゃうじゃん」


「俺は墓荒しの女の方がこえぇよ…墓場のある寺泊まりたくねぇ…!」


「そんなシチュエーション滅多に無いよにーに」



時刻は23時を過ぎる頃。あいつらの悲鳴が煩かったらしい三成がやってきた時には、既に皆は叫ぶ気力すら無いほどにビビっていた。


って言うか、学校の怪談みたいな有りがちなやつしか話してないんだけどな。ホントに。


それでここまでビビるとか、大丈夫なのか戦国武将。三成超冷めた目してるんだけど。



「てか、もうこんな時間かー。私お風呂入ったら寝るから解散ねーおやすみー」


パチン


「いきなりlight消してんじゃねぇぇぇ!!」


「来る!幽霊来るってぇぇぇ!」


「ぎゃあぁぁ誰だ今背中触ったのぉぉぉ!!」


「おやかたさばぁぁぁぁ!!」


「日輪よぉぉぉぉ!!」


(………煩い…)イライライライライラ


「…ホントにあれで大丈夫なのかな戦国武将」



この後、真夜中に騒ぎまくった彼らに幽霊より恐ろしいオトンの鉄槌が下ったのは言うまでもない。





取り合えず、我が家の信号機と瀬戸内はトイレの花子さんで夜一人でトイレに行けなくなるタイプです。

三成、小十郎、小太郎はくだらないと一蹴するタイプ。佐和と佐助は心霊現象とかは信じてるけどだから何?って感じです。





T O P


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