永遠の愛をくれよ



※死ネタ注意




まだ中学生で義務教育中の俺にも、夢はあるんや。小さいようで、大きな夢。大学を卒業してある程度稼いだら、千歳先輩と一緒に海外に行くんや。誰も俺らを知らんとこがええな。そんで、男同士でも結婚できるとこに行きたい。金はあっても無くてもいい。あ、でもあんまり無いのは苦労しそうやから嫌やなぁ。まぁ千歳先輩がおったらそこんとこ大丈夫な気がするし、俺は千歳先輩がおったらそれだけで大丈夫や…なんて。なんや恥ずいこと言うてますよね、俺。でも、それがいまの俺の夢なんですよ。ずっとずっと…千歳先輩の隣に立って、手を繋いで、抱きしめ合って、キスをして、セックスをして。なぁ幸せやと思いません?実現したら幸せで俺泣いてまうかもしれへん。
白くぼやけてい揺らいだ視界の中で目だけをさ迷わせて周りを見渡すと、直ぐ側に千歳先輩がいて笑みが溢れた。手を伸ばしたら千歳先輩はハッとして俺の手を掴んだ。小さな子供が大切なものを隠すみたいに俺の手を両手で包み込んで胸の側に持って行く。
「…な、千歳先輩、幸せやろ?」
思わず呟くと千歳先輩は泣きそうな悲しい顔をした。なんでそんな顔するんかわからへん。でも、そんな顔して欲しないねん。千歳先輩は、俺が笑ったらよう笑ってくれはるから俺は眠たいと訴える体に鞭を打って千歳先輩に笑いかけた。でも千歳先輩は益々泣きそうな顔をした。
なんだか無性に眠たくなってきて、重くなる瞼に逆らえず目を閉じると瞼の裏にテニス部でのことや千歳先輩のことが浮かんでは消え、浮かんでは消えた。なんやこれ、こんなんまるで走馬灯やんか。小さく笑うと遠くで千歳先輩が俺を呼ぶ声がする。
嗚呼、千歳先輩、千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩千歳先輩、千歳先輩…。

おれ、千歳先輩が、好きやねん。
なぁ千歳先輩聞いとります?なんでそない泣いてはるの。そんな息を殺すみたいに泣くやなんてあんたらしくないっすわ。嫌や、あんたが泣いてると調子狂う。やから、泣き止んでや。なぁ、なんで泣き止まへんの…?


…そういえばなんでさっきから千歳先輩の姿が霞むんやろ。それに眠いし疲れたし、少しだけ眠って起きたら千歳先輩慰めて、いつもみたいに千歳先輩にキスをして貰おう。そんで先輩らとか金ちゃんとかとテニスして。そして。
起きたら、また、一緒に、―――…








一人きり、冷たくなった手を握りしめて静まり返った小さな部屋で泣く。

「――――…光、君」








2011.1.6


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