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今日は、財前光です。この間喧嘩という名の乱闘起こして謹慎処分食らってるんっすわ。まぁそれも今日で終わり、明日から学校行けるんや。テニス出来る!ていうか一週間謹慎もとい休みて訳で。ちょっと喜んでたんやけど流石に一週間目になると色々飽きてくる。友達は学校やし、謹慎やから家に居らないかんし。俺はパソコンの画面に向き合ったままため息をついた。作曲つってももう既に三曲くらい作った。株も今のところ急な変化なし。お菓子作るったって材料買いに行けんねんから無駄や。…て、お菓子んこと考えてたらぜんざい食べたなってきた。明日謙也さんに奢らせてやる。謙也さんに前俺が藍華の真似してふざけて上目遣い&服の裾を引っ張るあのテクニック使うたら真っ赤になってん。…謙也さんって上目遣いする子やったら誰でもええんやろか。あかんでー、そういうの。変な女の子に引っかかってまうやろ!

出てきそうやった欠伸を噛み殺した時、机ぬ上に置いてあった携帯が鳴った。アラーム、な訳ないよなぁ。携帯を取り開くと電話を通知する画面。その画面を上からゆっくり見ていくと半年以上会っていないある人物の名前が載っていた。なんやあの人、今授業中やないんか。時計は11時(朝のやで)を指している。普通に授業中やん。通話ボタンを押して耳にくっつけると懐かしい声が聞こえた。

『せっかく俺様から掛けてやったってのに、随分取るの遅かったじゃねぇか。あーん?』

「しゃーないっすわぁ。それにしても相変わらずっすね…景吾さん」

跡部景吾。跡部財閥の一人息子や。金持ちな上に一人っ子やからこんな性格になったんやろか?ま、性格で言ったら俺も曲者の類いに入るんやろけどな、自覚はあるねんで。

「…で。わざわざ掛けてきてくれたんや、何かあるんやろ?」

電話と向こうから含み笑いをする声がした。きっと今眉間に指を置いて意地の悪い笑みを浮かべてるんやろな、簡単に想像出来るわぁ。景吾さん外側だけは無駄に恰好ええからこういうのもキマってるんや。ええなぁ大人のエロさが俺も欲しい。いやまだ景吾さんも中学生やけどな。いっこ上の。

『明日氷帝と四天宝寺で練習試合をすることになっている』

「ぇ、まじっすかぁ。俺それ知らんのやけど」

『くく…謹慎なんか食らうヘマするからだ』

五月蝿いっすわぁ。小春先輩助けた代償やねん、勲章みたいなもんや。てか何で謹慎処分受けたの知ってんねん。…いや景吾さんなら知ってそうやな、うん。

『だから明日、お前の欲しがってたフランスのL'HEURE BLEUE(ゲラン ラール・ブルー)持ってきてやるよ』

その言葉にぴくっと俺の体が反応するのがわかった。L'HEURE BLEUEちゅうのはブランドの香水の一つで、前に景吾さんの家で試させてもらってん、気に入ったんや。ほわっとした柔らかい香りでちょっと昔の匂い消しゴムの様な、懐かしさがあるんや!でも時間がたつとバルサム風の重い馨へと変化する。その変化したあとの馨がめっちゃ好きやねん!!

その香水めっちゃ欲しかってん、でもフランスでの限定販売やったし値段がちょっとアレな感じやったから諦めたんや。いや株のお陰でかなり大金持っとるし買えないことはないんやけど…家族が見てまうからあんまり通販で高い買い物は出来んねんな。

「ほっほんま!?おおきに!景吾さん!」

『あぁ』

あああかん!明日めっちゃ楽しみになってきた!あ、香水もそうやけどテニスもやで?





2010.4.3
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L'HEUREBLEUEは本当にあります^^ ただブランドやったかは確かではありませんが← フランスの香水です。名前の意味は「蒼い時」だそうです。綺麗だったんで小説に取り入れさせていただきました!

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