無気力なθ
何に、迷っていたのだろう。
答えが導き出せなくて、涙が、ほろり。
猫になりたいと思った。
隣の家の、黒と白の、靴下を履いた猫。
自転車で轢きそうになって、やめた。
空になりたいと思った。
真青な、光り輝く空。
曇り空がどんよりと私を潰した。
こんなに怖いものになってしまうと知って、やめた。
空に輝く星になりたいと思った。
きらきらと、瞬く星。
でも、私の目に映る星に、タイムラグがあることを覚えて、やめた。
やめてしまった。
自分が、こんなにも臆病だとは、知らなかった。
しかも、
もしかしたら、私は、人間でいることに、固執しているのかもしれない。
他のものになるのを恐れて、
他のものになって、認識されなくなるのが怖くて。
やっぱり、答えは出せなくて。
でも、涙はもう、でなかった。
2009/11/12 20:20:30
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