一綴りの物語

いまひとつの星空を越えて

白昼夢のような街で

私は独りで夢を手にする


真っ黒な毛に 金色の瞳

小高い丘の

道の脇にある塀の上で


したの世界を見下ろす


空を飛び交う烏を見て

私には空を飛ぶための羽がないことを知る


だから

仕方がないから

街で一番高い丘の上

一番高い塀の上に登って


ぺろり と

毛づくろいをした。

2009/11/08 11:51:33

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