逝去
彼女は多くを語らなかった。
だか、全てをかたった
真実はときに残虐で、彼女をひどく傷つけた
いつも彼女は白いベッドのなかに埋もれて窓の外を眺めていた
寂しそうに、切なそうに微笑んでいた
「わたしが死んだら、骨をあの庭に埋めてほしいの」
これが、彼女の最後の願いで最期の告白
未来はまだずっと先まで広がっていると信じていたのに
終わりはすぐそこに見えていたなんて
「悲しみを越えて、また笑えるようになったときに、もういちどここに来て」
そう言って、目を閉じた
2012/10/16
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