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「ほらよ」

次の英語の予習をしているときになんやねん、と声を掛けてきた相手に眉をひそめながら顔をあげたら金丸が何かを渡してきた。
シンプルな白い封筒を受け取るとそこにはわたしには書けそうもないめっちゃ綺麗な字で"みょうじなまえさんへ"と書かれていた。

「…えっ、えっ、え?」
「白州先輩が渡しといてくれってさ」

よかったな、と去ろうとする金丸の手を掴んだ。金丸はめっちゃびっくりしていたがそれどころじゃない。これはビックニュースや!

「ありがとう金丸!!!」
「お、おう」
「めっちゃ嬉しい今にもしにそう!」
「そんなにか」
「そんなにや!」

まさかまさかまさかあの白州先輩から返事ましてや手紙が帰ってくるなんて思ってもみなかった。
あの一目惚れした夏の大会から一ヶ月、友達になんで白州先輩、どうして白州先輩、むしろ白州先輩って誰と罵られながらもなまえがいいならそれでいいんじゃないと後押しされて書いた手紙。伝えるだけでわたしはじゅうぶんやったのに。今なら死んでも構わない。この手紙をわたしと一緒に燃やしてください。幸せなままわたしはあの世へ行きたい。サヨウナラ

「読まないのかよ」
「…はっ、そうや中身!」

手紙が帰ってきたことだけで感動してしまっていた。肝心の内容が大切や。貴重な白州先輩が書いてくれたわたしの名前が書いてある封筒を裏返して恐る恐る封を開ける。 緊張して手が震えてる。中に入っていたのは一枚の手紙のみ。その内容は…

「…どうした」
「白州先輩、お知り合いになってくれるって!」
「は?」
「めっちゃうれしい!」

手紙には手紙ありがとうと、俺でよければお知り合いになってください。とこれまた丁寧な文字で書かれていた。嬉しい嬉しい嬉しい!

「金丸!」
「あ?」
「白州先輩に言っといて!」
「何を?」
「見つけたら挨拶しますね!って!」

まずはお知り合いから

「というか手紙に何て書いたんだよ」
「好きです知り合いになってください!って」
「えっ、それだけ?」
「あと名前も書いた!」
「…」



タイトルは金丸の心情





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