「っ…離せよ青!!」
「嫌だ!!行くなよ霧斗!!」
「離せ!!」
「いいのかよ霧斗!?死んだらどーすんだ!?行くな!!」
「俺はそう簡単に死なねぇ!だから、行かせろ青!!」
「させねー!いくら何でも強敵すぎる!!絶対行かせるもんかよ!」
リビングを出ようとする霧斗に後ろから抱き付いて必死に止める青。
「危ないだろ!?」
「分かってくれ青…」
「分かりたくねぇ!!頼むから行くな霧斗!!」
「止めるな青!アイツが…アイツが俺を呼んでる…待っているんだ!!」
「忘れろよ霧斗!双子なら分かってくれよオレの気持ち!!」
「ゴメン青。だけど…だけど俺はアイツを…本日限定特製チョコケーキを諦められないんだぁああ!!」
「行くな霧斗ー!今台風来てんだぜ!?絶対ぇ店やってねーよ!!」
「俺は信じてる!だから行かせてくれ!!」
「お兄ちゃんは許さないぜ霧斗!!行くならオレを倒せ!!」
「くっ…!!青の分からず屋!手加減しねーからな!!」
「オレだって…!!チョコケーキを忘れてくれねーなら容赦しねぇ!!」
「…何やってんだアイツ等」
「霧斗がチョコケーキ買いに行くのを止めているらしい」
「元気やなぁ〜。風も雨もえらい事やのに」
「アホ双子……」
「霧斗の馬鹿ぁあ!!」
「青のアホんだらぁあ!!」
彼らにとって、真剣な問題なんです。
哀しみの忘却