キリナが旅をしている間も、マサラタウンの屋敷にいるメンバー達はトレーニングをしたりナツメ達の手伝いをしたりと平和に過ごしていた。
今日の分のトレーニングを終わらせた朱華と水音は屋敷の一室にいた。
そこには他に紫綺と夜熙達がいる。
『今日も良い天気ねぇ』
窓の外に目を向けながらテーブルに座っている水音がティーカップを片手に呟いた。
その向かいには朱華が。
『キリナ様がいる場所もこうだといいが』
『アンタってホント、キリナ命よねぇ』
『当然だ。今の小生がいるのは他でもないキリナ様のお陰だ。大体、お前もキリナ様には甘いじゃないか』
『だって可愛いんだものV』
『それと同じだ』
言って、紅茶を啜り溜め息を一つ吐く朱華。
『キリナ様…今ごろ何をしているだろうか…』
『相変わらず火影と口喧嘩してそうね』
『変な輩に絡まれていないだろうか。男共にいやらしい目で見られていないだろうか…』
『心配性ね』
『キリナ様はその辺の女よりも可愛らしいから心配なんだ。無邪気だし人懐っこいし…キリナ様ぁぁあああ!!!』
『…本当キリナ馬鹿だわ』
『不逞な輩にヤられたりでもしたらどうするんだ…!!』
『貞操の心配かよ』
思わずキャラが変わってツッコミを入れる水音さん。
テーブルに俯せになり遠くにいる主に思いを馳せる朱華は誰にも止められない。
『ダメだ。キリナ様が心配で死にそうだ』
『もはや末期ね』
『キリナ様関係なら何でも構わん』
『(もしかして朱華って火影以上にキリナ馬鹿かしら…)』
毎日毎日、朱華の頭は主人のことでいっぱいな様子。
今日も屋敷は平和です。
頭の中は、君一色
(朱華ー。キリナがメンバーに加わってくれだとよー)
(キリナ様ぁぁあああ!!)
(・・・何アイツ)
(今日もキリナ馬鹿ってことよ燈月)
(あぁ…なるほど)