傷薬やポケモンフード等が無くなって来たのでフレンドリィショップを目指し街を歩いているキリナ。
 その隣りには擬人化した紫苑がいる。

キリナ一人じゃ迷子になりそうだからと唯一トレーニングをしてなかった紫苑がついて来てくれたのだ。

 昼間だからなのかそれなりに人が多く街は活気づいている。


「結構人いるなぁー」

『賑やかな街やなぁ』

「迷子になるなよ紫苑〜?」

『それはキリナの方やろ?』


小さく笑いながら返す紫苑。


「そーやって人を子供扱いするなって」

『せやかて、キリナは子供やろ?ワイは嘘吐かんで』

「それはそうだけど…」


逆に嘘を吐かないと言われた方がグサッと来るものだ。

 それを察したのか紫苑は柔らかい笑顔を浮かべて隣りを歩くキリナの頭をポンポンと優しく叩いた。


『子供でもええやないか。今を楽しみぃや』

「何か上手くまとめられた気がする…」

『まぁまぁ。ほいキリナ』

「ん?」


隣りを歩く紫苑が片方の手のひらを見せる。
 不思議そうな顔をするキリナの片手を、紫苑の手が包む。


『手ぇ繋いだらどっちも迷子にならへんやろ?』


笑顔を浮かべる紫苑にキリナはにかみながら頷いて手を握り返した。

 紫苑が内心で「やっぱりキリナはかわええなぁ」なんて呟いていたのは秘密だ。








繋いだ手の温かさ

(繋いだ手の温かさがどうしようもなく愛しくて)(そっと頬にキスした時の君の顔も)(どうしようもなく愛しく感じた)