「もう一年以上も経つのかぁー…」


 PCの外でぼんやり空を眺めていたキリナがそんな事をつぶやいた。


『何がだ?』


隣りに座ってサイコソーダを飲んでいた火影がパートナーに顔を向ける。
 PCの壁に寄り掛かりキリナは空を見上げたまま答えた。


「俺と火影が出会ってからだよ」

『あぁ…そういやそうだな』

「お前も最初はあーんなに可愛いヒトカゲだったのに。今じゃ超毒舌なリザードンだもんな〜」

『うるせぇ』


サイコソーダを口に含んで視線を前に戻す。それにキリナはケラケラ笑った。


「なぁ火影」

『あ?』

「俺達…これからも一緒、だよな…?」


 彼にしては珍しく不安そうな声色。
サイコソーダを一口飲み、火影がキリナに顔を向ける。


「こうやって幸せとか感じてると…たまに怖くなるんだ。いつこれが崩されてしまうのだろうって…。永遠なんて存在しないのは分かってる。だけど…ずっとこのままでいられたらって…そう、思うんだ」

『キリナ…』

「俺、ずっと火影や青や緑達皆と一緒にいたい。だけどいろんな奴等に狙われるから…守りきれるのか分かんなくなっちまって…俺は、お前等みたいに強くねぇから」

『んな事ねぇよ』


キリナの不安を取り除いてやるように、火影は強く言った。
 いつの間にか伏せていた顔を上げ、相棒の言葉にキリナは耳を傾ける。


『お前は強い。別に一人で守る事もねぇ。お前には俺等がいるだろ?』

「確かに…そうだけど」

『だろ?だから、安心しろキリナ』


そう言って、火影は触れるだけのキスをした。
 一瞬遅れて何をされたか理解したキリナが顔を赤くする。

その反応に小さく笑いながらキリナの顔の両サイドに手をついて覆いかぶさる火影。


「おい火影っ…」


押し返そうとする手を彼が寄り掛かっている壁にぬいつけ笑みを浮かべる。


『たまにはいいだろ』

「アホか!ここPCの裏だぞ!しかも外!絶対にダメだ離せッ」

『なぁキリナ』

「ん?」

『俺はいつまでもお前の傍にいる』


 耳元で優しく囁かれた言葉に目を見開く。


「火影…」

『これだけは変わらねぇよ』

「…ありがとな。でも…やっぱりダメだ離せ

『…チッ』

「舌打ちしない!」










いつまでも一緒に


(危なく流される所だったぜ…)
(じゃあ部屋でヤるか)
(ΣNoォォオオオ!!!)