1
「あ〜…いってぇ…」
ズキズキと痛む頬を擦りながら廊下を歩いているのは私、3年Z組の土方沙良。
今は授業中なのでシンとしていて静かだ。
あー…ホントにほっぺ痛い。
アンパンマ●になっちゃう。無理だよ。
私の首はあんな簡単に取れません。何処のホラー映画?
どうせ出演するならホラーよりコメディ…って、アレ?何か話ズレてね?
「近藤さん…本気で殴ったな」
『お前はそんな奴じゃなかったはずだ!!少し頭を冷やせ!!』
先ほど、教室で私を殴った後そう言った近藤さんの顔は真剣で。
あぁ…マジで怒ってるんだなって、冷静に思う自分がいた。
何でこんな事になったのか。
それは単純明快。
私が天人高の奴等と派手に喧嘩したからだ。
相手は軽く20人以上いたので、私も軽くマジでやり合った。
そしたら、10人くらいが大怪我。
何だっけ…2人は骨折で3人は脱臼。後は分からない。別に興味ないし。
それに、向こうから私一人に喧嘩売ってきたんだから自業自得。
なのに、近藤さん達には私から喧嘩を売って大怪我させた、と伝わっているらしい。
何でそんな風に伝わってしまったのだろうか。
教室に入るなり近藤さんに殴られ怒鳴られ…もう最悪。
頭に血が上った近藤さんは私の話に聞く耳持たず。
桂もやり過ぎだって呆れた顔するし。
お妙さんは見損なったって言うし。神楽と九兵衛は複雑そうな顔してて何も言わなかった。
新八とザキはただ黙っているだけ。
兄さんと総悟はまた追いかけっこしてていなかった。
アホだアイツ等。
←→