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「何なんだろ…銀八の奴…」


変なの。
 知ってるなら、言えばいいのに。
それとも、本当は知らないのかな…。

よく分からない人物だなー。
 先ほどの銀八の行動について悩んでいるうちに屋上に到着。



今日も今日とて空は青い。

 死にたくなるくらい青い空。なんてね。


「またお前か沙良」

「それコッチの台詞」


まーた今日も居やがったのか高杉コノヤロー。
 学校来るなら教室に来いよ。

梯子を伝って上に上り、仰向けになっている晋助にこっそり溜め息を吐く。
 あぁ〜、私の貴重な幸せが逃げて行く〜。


「オメェも、大変な事になってるみてーだな」

「うるっさい」

「天人高のバカなんかのゲームになんぞ乗りやがって」

「何で知ってんのお前!?」


隣りに座り、顔を向ければ奴はククッと喉の奥で笑う。

 コイツ…何者?


「天人高の奴ボコって聞いた」

「何してんのお前ェエ!?」

「暇だったんだよ」

「暇潰しにボコるな!」

「うるせ。一人で何十人もやったくせによ」

「アレは向こうから売ってきたモンだもん」

「ボコったのには変わりねーだろ」

「うるっさい。ってか、知ってんなら丁度良いや。これからは私に関わるなよ」

「断る」

「はい?」

「何で俺がお前の指図を受けなきゃなんねーんだよ」


 このジャイアニズムめ…!!

人がせっかく親切に警告してやってんのになんですかその態度は。