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「ぶぇっくしょいッ!!」


誰か噂してやがるなちくしょー。

 翌日。私は兄さんと別々に登校する事にした。
ちょっと早めに家を出て。

朝からくしゃみとか…不吉!


「あ。弁当忘れた」


兄さんの分は作って置いといたけど…。
 自分の分作るの忘れてた…!!
おかしくね!?アルツハイマー!?(違

ま、売店で買えばいっか。
 430円以内で!パンとジュースくらいしか買えねーじゃん。アイスを昼食にしよっかな……。


気がつけば、既に教室のすぐ近くまで来ていてビックリ。
 考え込みすぎてたな私…。
でも昼食は重要だし。考え込むよね。

教室に入れば、近藤さんとお妙さんと新八の三人がいた。
 九兵衛や神楽はまだ来ていないみたい。
何だこのビミョーな三人は。


「沙良、少しは頭冷やしたか?」

「冷やすも何も…私は最初から冷静です」

「天人高の奴に謝る気はないのか?」

「謝る意味が分かりません」


真顔でそう答えれば、乾いた音が教室に響いた。
 同時に、頬に伝わる鋭い痛み。

昨日殴られた場所と同じなんですけど…。
 殴るかと思えば今度は平手打ちですか。
乙女ですかアンタは!!

内心でギャグっていられる私ってスゴイ。
 シリアス壊しの天才って呼ばれてもおかしくないよコレ。