扉の向こうにある祝福も、夜明けのカクテルに溶かした秘密も。どちらも抱えたまま逃げ出してしまいたい、なんてね。シンデレラになるのが夢だったの。


│最高得点までおあずけ│
│お姫さまだって泣きたくなる│
│繰り返すだけのひとりあやとり│
│タイムマシンがあったとして│
│純白をうそぶくには苦すぎる│
│ハッピーなんちゃらエンド│
│薬指にお似合いのアレ│
│しあわせ幸せ、不幸者は呟く│
│肺に満たす薔薇色ロマンス│
│幸せのスペルがわからない│
│リボン結びはいちばん簡単│
│青い鳥も魔法使いもいない│

少し苦しいドレスと、小指が痛むヒール。上辺だけの祝福と拍手に喜ぶあいつ。白いドレスに対抗するように薔薇の花がよそよそしく香りを投げつけている。ああ、青い空が馬鹿みたいだ。退屈する子どもの代わりにいっそのこと叫んでやりたい。“くそったれ!”ってね。