ハッピーバースデーのその先/2
団長がベッドになまえをどさりと投げ出すと、自分もベッドに座り、なまえの後ろに回って金属製の手枷で彼女の両腕を戒めた。
団長は夜着の裾をたくし上げ、白い身体を露わにして、まだ乗馬用の革手袋を付けたままの手でなまえの身体を弄び始める。後ろから伸びた大きな手が、柔らかそうな胸を掴んで、寄せて、形を変えていく。
「エッロい顔、なまえさん」
「……嫌っ、こんなの……!」
身体を捩り、顔を背けて抵抗を示すなまえの顔を掴み、正面を向かせるとエルヴィン団長は言った。
「お前のいやらしい顔を、エレンによく見せてやりなさい」
「ごめんね、なまえさん」
やっぱり、俺もマトモじゃないみたいだ。
ばたつく足を捉え、強引に大きく開かせるとその間に身体を滑り込ませた。
なまえの細い腰を掴んで、容赦なく突き動かしていった。前に抱いたときは口を塞いでいたから聞くことができなかった、腰を動かす度に上がる声に、ますます興奮が高まっていく。
「なまえさん、気持ちいい?」
「んっ、んん、嫌ぁ……」
「なまえ、ちゃんと答えてやりなさい」
後ろからなまえの身体を支えるようにして、胸を弄んだり、結合部の上の突起を弄って責めていた団長が、なまえの胸を掬い上げるように掴み、固く凝った頂点に歯を立てた。いっそう甲高い声が上がり、埋め込んだ膣内がきゅうっと締め付ける。
「団長はやらないんですか?」
「中央から馬で飛ばしてきて疲れている。シャワーを浴びたらもう休むよ。エレンがなまえを満足させてやってくれ」
団長はそう言うと立ち上がり、部屋に備え付けのシャワールームへ消えていった。その姿を目で追い、不安げな表情を見せるなまえにドロドロとした嫉妬が湧き上がる。団長に弄ばれ、既に赤く充血しぷっくりと膨らんだ突起を潰すように指を添え、腰を深くグリグリと押し付けた。
「あうっ、ぐっ、うん……」
「今なまえさんを抱いてるのは俺だ。俺だけを見て」
愛してるんだ。
なまえさんがどう思っていてもいい。この気持ちが伝わらなくても、二度と笑顔を向けられなくても、こうして触れられれば、俺はそれでいい。
顔を背けるなまえを強引にこちらに向かせると、涙に濡れた目で思いっきり睨まれた。
「……っ、嘘つき。助けてくれるって言ったのに」
「助けるよ。でもこの世界がいけないんだ。壁の中は狭くて逃げるところなんてない。でも大丈夫。俺がなまえさんのために、巨人を一匹残らず駆逐するから、それまで待ってて。まぁ、いつになるかは分からないけど」
優しい表情を作って微笑んで、膣壁を擦るようにゆっくりと動かしてやると、なまえがビクビクと腰を揺らして喘いだ。
「嫌っ、大っ嫌い……!」
「その大嫌いな男に喘がされてるのは誰?」
そういって腰の動きを早めれば、可愛い声を上げてあっけなく達してしまう素直な身体なのに。イッたばかりでビクンビクンと震える膣内に休みを与えることなく穿ってやれば、もう意識すら飛びそうになっている。
愛よりも憎しみの方がより強い感情だ。団長や兵長を想うよりも強く俺を憎んでくれるなら、俺がなまえさんの中で特別な存在となることと同義だ。
「大好き。なまえさん。最高のバースデーです」
目覚めたら、まだなまえさんのベッドの中で、すぐ側では団長がなまえの身体を嬲っていた。
朝からサカりすぎだろうと呆れたが、団長の大きな身体に眠ったままの状態で犯されるなまえさんの姿に、すでに朝の生理現象で固くなっているそれが、さらにはち切れんばかりに熱を持ち始める。
起きたことに気付いた団長が口角を上げ、目配せをしてきた。自然になまえの身体に手が伸び、あどけなく眠るなまえの頬におやようのキスをした。
今、俺は幸福だ。
もうこの人達に嫉妬をすることはないだろう。
その時、カツカツと階段を下りる固い靴音が聞こえてきた。
「……兵長になんて言い訳する気ですか?」
「今日はエレンの誕生日なんだ。少しくらいご褒美をあげてやってもいいだろう、とでも言うさ」
それで済むとは思えないのだが。しかしエレンにとって問題はそこではない。
「えー、年一しか抱けないんですか」
「まさか。君が俺の役に立ってくれるならいくらでも」
そういってブルーの瞳を冷たく向けながら、団長が微笑んだ。ぞくりとするような恐ろしさと、美しい狂気を垣間見せながら。
「本当に、なまえさんを愛してるんですか?」
「ああ、愛しているよ」
愛して、愛しすぎておかしくなりそうだ。
なまえを熱っぽく見つめながらそう言って、団長はまた笑った。
ああ、ここにも俺と同じ人がいた。おかしいのは俺一人ではない。
「……良かった」
「いや、良くねえだろ。どういう状況だ、これは」
扉を開けてドン引きしている兵長が向ける凄まじい視線に、エレンはこれから先起こる身の危険にびくりと身を震わせた。
(2014.3.30)
エレンくんハッピーバースデー!!
こんな話ですみません…!
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