拍手 | ナノ
拍手ありがとうございます!
作品の感想、誤字脱字、その他何かありましたらお気軽にどうぞ
『大好き』
※園児パロ
きのう、そうすいにとてもいいことをきいた。あんなやつでもたまにはやくにたつんだなとおもいながらきょうはようちえんにきた。
「じゃあ、いい子にしてるんだぞ」
「わーってるつの」
くるまからぴょんっとおりてもんをくぐってじぶんのきょうしつへとはしっていく。
「明王君おはよう。走ってると転ぶぞ」
「はよ。そんなとろくねーよ!」
とちゅうであったかぜまるせんせいにてきとうにあいさつしながらもあしはとめない。あたまはきのうそうすいとしたはなしでいっぱいだ。
くつをぬいでこんどはろうかをはしる。みなれたひょうさつがみえてきたのでいきおいよくとびらをあけた。
「わたる、わたる」
いっせいにあつまっしせんなんてきにしないで、じろうとほんをよんでいるわたるをてまねきした。
「あれ、あきおどうしたの?」
「いいから、こい」
ふしぎそうにくびをかしげるわたるはおんなのこみたいでかわいいなとおもいつつも、てをひいてはんきゅうじょうになっているすべりだいのしたへとつれていった。
「なになに?なんかいたずらでもするの?」
「ばっか、ちげーよ。いいからちょっとそこすわれ」
「うん」
わたるがすわったのをかくにんしてから、おれもこしをおろした。
「わたる、おおきくなったらおれのおよめさんにしてやるよ!」
「え?」
いみがつうじなかったか、きょとんとするわたるがもどかしくて、いっしょうけんめいつたえようとした。
「だから、およめさん!およめさんしらねーのか?」
「しってるけど、おれおとこのこだよ」
おんなのこあつかいされたとおもったのか、わたるはぷぅうとほっぺをふくらました。それをゆびでつつきながらいう。
「ふふん、しらないのか、わたる。ガイコクってとこいけばおとこでもおよめさんになれるんだぜ!」
「ほんと!?」
「ほんと!そうすいがきのういってた」
おどろくわたるに、とくいげにむねをはる。
がいこくがなんなのかよくしらないがとにかくとおいところにあるんだろ。きっとおとなになればいけるはず。
「じゃあ、おれあきおのよめさんになる!」
「いいぜ、ぜったいしあわせにしてやるからな!」
「うん!あきおだいすき!」
「ばっか、おれだってわたるのことだいすきだし」
ぎゅうっとだきついてきたので、おれもまけじとぎゅうっとだきしめた。
わたるからはおひさまのいいにおいがして、なんだかすごっくしあわせなきもちになれた。