「何見とんの?」
「あ、蔵ちゃん、お疲れはんどす」


部活もとっくに終え、自主トレしとったレギュラーもほとんど帰った部室に春菜がおった。毎週この日は、掃除の日と決めとるらしい。綺麗に整理整頓された机には、誰のかもわからん雑誌がたくさん積んである。おそらくペラペラめくっとるんは、そのうち1冊やな。


「オサム先生の」
「え、何でここにあんねん」
「よう来はっとるらしゅう」
「そうなん?」


苦笑いに近い微笑みで、春菜の視線の先を追えば、ゴミ箱の中の煙草の吸い殻。丁寧にビニールに入れらとった吸い殻を見ながら「テスト期間やったさかい、堪忍したって」なんて言いよる春菜は、まさに日本の女やなって思う。



「ほ〜、今日も疲れたばい」
「あ、春菜センパイ、まだおったんすか」
「ちぃ、光、お疲れはん」
「白石もおったと?邪魔?」
「ようわかっとるやん」
「ハハッ、青春たい」「(な、青春っ?!)」
「(ん?)ええやろ〜光」
「何が?キモいっすわ」
「やきもち」
「はぁ?」
「こりゃ図星たい」
「なんや〜?妬いとんのか?財前少年〜」
「意味わからんのやけど、センパイらうざっ」
「そう怒ったら、いかんと」
「せやで〜光、ニッコリせな」
「黙っとってくれません?」
「おーこわ」


なんなん部長腹立つ〜。普通に腹立つ〜。なんやの、その笑顔。爽やかやん、めっちゃ爽やかやん。腹立つ〜、その王子様オーラが腹立つ。俺にはあらへんその魅力が腹立つ。なんか部長は本気で春菜センパイ好きみたいやけど、俺だって負けてへんし。ちゅーか俺が一番好きやって。今日やってめっちゃ部活頑張ったんに、春菜センパイ全然こっち見てくれんし…。自主練やって、春菜センパイが好きなガリマッチョになるべく、筋トレめっちゃしたんに!下品な言葉使うとる部長より、天才言われとる俺の方がええやろ!なんなん青春って!こいつの場合、性春やろ!なんなんエクスタシーって!こっちはフラストレーションや!


「あ、」

「光どないしたん?」
「せやセンパイ、俺英語のテスト90いったんやけど」
「ほんに?たんと、きばったんやなぁ」
「約束、果たしてくれはりますんよね?」
「約束?」
「(や く そ く!)」
「せやったんなぁ。ええかて、そんなんでええのん?」
「な、何約束したん?」
「センパイの親御さんに会わせてもらうんすわ(してやったり!)」
「(さすがは財前…)良かったばいね〜」
「ま、こんなん序章っすけど」
「(なんやと!負けへん!)せやけど光、ピアスしとったら不良やと思われるんとちゃう?」
「部長の髪よりマシとちゃいます?」
「ハハッ、その通りたい」
「(チッ)地毛やし」
「え?せやったん?」
「なわけなかよ、春菜」
「え〜せんみつはんどすやん」
「嘘つきはったんすか。サイテー」
「げんなりやなぁ?」
「(ガーン)じょ、冗談に決まっとるやん、こんなん。なんや冗談通じひんとか、2人してガキなんとちゃう?」
「そんなん言うて、手繋いだとき、緊張してめっちゃ手汗かいてはったの、どこぞのどなたさんやったっけなぁ?」
「(手?!)うわ、キショいっすわ」

こんの3人ばやり取り見ちょるのも、楽しかね〜。だいたいは春菜と財前グルになって、白石いじめるたい、可哀想になるときもあったりしちょるけんな。そげんしても、春菜かわいかー。あんなんに騙されて、純粋としか言い様がなか。今どきこげん擦れてなかと、めずらしいばいね。あ〜かわいかー。


「わあっ、ちぃ?!やめっ…」
「あーやわらかー。春菜は抱き心地最高たい」
「(ずるい!)千歳、嫌がっとるやん」
「(あー!)ちょ、やめとってください」





ハニー




20000HIT さきこ様リク
090410 四天の3人でのほほん、ということでしたが…のほほんというかハチャメチャ(汗)ちなみに色はみんなの好きな色です\(^O^)/ありがとうございました