▼ ミザエル
「ミザエルって髪綺麗だよな」
「…なんだいきなり」
「この指通りすげえ。さらっさら」
「むやみに触るな」
「どこのシャンプー使ってんの?つーかこの左の羽根みたいなの何?」
「私は誇り高きバリアンの騎士だ。人間の手が加えられた物など使わん」
「え、じゃあバリアン世界にもシャンプーってあんの?」
「あるわけないだろう。そもそもしゃんぷーとはなんだ」
「髪を清潔にするもの、みたいな?」
「私が質問しているのだ、疑問形で返すな」
「そんなこと言われてもなあ」
「…貴様の髪も同じではないか」
「え?」
「ほら、私の指を通り抜けるぞ。それにこの香りは何だ、今まで感じたことのない気持ちになる」
「これがシャンプーだよ」
「ふむ…、不思議なものだな」
「…使ってみるか?」
「なっ…」
「そんな固えこと言うなよ!使ってみればわかるって」
「だが…」
「よし決まり!今から俺んとこ来いよ!」
「……(こくん)」
***
ミザエルの口調がイマイチ分からぬ…。
髪さらさらそうですよね、彼。
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