ハルヒ目線(古キョン)



1.くっつく

古泉君は恋をしてる。
それもキョンに。
多分気付いてるのは私だけ。
キョンは恋をしてる。
それも古泉君に。
これも気付いてるのは私だけ。
二人とも全然顔に出さないから。
でも、私が団員の変化に気付かない訳が無いわ。
だってキョンも古泉君も有希もみくるちゃんも大好きなんだもの。
大切な仲間だもの。
だからアタシは二人を応援してる。
でも、古泉君はキョンがみくるちゃんを好きだと思ってるし、キョンは古泉君が私を好きなんだと思ってる。
正直もどかしくて仕方ないけど、きっともう直ぐ上手くいくと思う。
もちろん根拠なんて無いけど。
そんな事を考えながらパソコンを弄ってると、みくるちゃんが入ってきた。
「遅れてすいませんでしたぁ〜!」
「おっそい!でもまぁ許してあげるわ。それよりみくるちゃん、古泉君見なかった?」
「古泉君ですか?見てませんけど…」
今日は珍しく古泉君がまだ来てない。
心配しなくても大丈夫だとは思うけどさっきからキョンは心配そうにしてて落ち着かない。
そんなキョンを、まぁ有希も心配してたみたいだし。
「彼は中庭」
「キョン、迎えに行ってきなさい!」
「なっ、何で俺が!?」
「良いから!」
きっとまだキョンには告白なんて出来ないだろうし、ぎこちない会話になるんだろうけど。キョンのあの幸せそうな顔も、古泉君の私たちに見せるのとは微妙に違う笑顔も、見たいもの。
でもそろそろ古泉君には漢を見せて欲しいところよね。
ホント、さっさとくっ付いてくれないかしら。



2.お知らせ

最近やっと付き合い始めたらしい。
誰が?
そんなの愚問よ。
学年一、ヘタすると学校一のイケメンで我が団の副団長古泉君と、ただの平団員のキョンが。
何と無くだけど、キョンが前にも増してピンクなのよ。古泉君も前より優しい笑顔でキョンを見てる。
けど、団長である私に報告しないなんてお仕置きね。取り敢えず今日白状させて今度の探索の時は古泉君の奢り。それから、グループは男女で分けて。ほんの少しだけデート気分を楽しませてあげても良いかも知れないわね。
「有希、みくるちゃんは?」
「暫く来ない」
「そう、じゃあちょっと席外してくれるかしら」
私がそう言うとキョンが不思議そうな顔をした。古泉君は勘が鋭いから私が何で有希に出て行ってもらったか分かってるみたいね。
「さぁ二人とも、白状しなさい!」
「な、何をだよ」
「古泉君は分かってるわよね?」
「…えぇ、恐らく」
「そう言う事って先ず私に報告すべきじゃない?」
「えぇ、そうですね。失礼致しました。では、改めて。涼宮さん、僕達付き合い始めたんです」
「それで宜しい。ま、キョンが言いたくないなら黙っといてあげるわ。でも、私にまで黙ってた罰として今度の探索は古泉君に奢って貰うから!」
「了解致しました」
キョンはポカンとした顔をしてる。
ホント、相変わらずアホ面ね。
この私が認めてあげたって言うのに何が不満なのかしら。
「まぁ良いわ。キョン、お茶淹れて」
「…おう」
全く、仕様の無い団員なんだから。



3.らぶらぶする

キョンの馬鹿は世間一般で言うツンデレらしい。
それにしてもキョンたらいくら私たちが居るからってツンツンし過ぎよ。
ツン9割でデレ1割しかないわよ、見てる限り。
古泉君はキョンの細かな表情の変化でキョンの気持ちは分かるみたいだけど。
「ねぇキョン」
「あ?」
「もうちょっと恋人っぽく出来ないの?」
「は?」
「古泉君に対して冷たいのよ、あんた。もうちょっとラブラブしなさい。命令」
「な…!」
勿論キョンが命令だからって従うとは思ってないけど。
キョンは少し考えて、それから、一人悶えてる。ちょっと面白い。
そこに古泉君が入ってきた。
「すいません、遅くなりました」
「また告白?」
「えぇ、まぁ」
キョンがそれを聞いて少し不安そうな顔をする。
何だかんだ言って古泉君が大好きなのよね、キョンは。古泉君もそれが分かってるのね、安心させるように勿論断ってきました。ってキョンに言ってる。
普段は知るか、ってそっぽ向くのに今日は真っ赤になりながらそうか、とか何とか言ってる。
「キョン君。どうかしました?」
「はっ、ハルヒが、偶には優しくしろって言うから…!」
キョンはキョンなりに優しくした、ってことね。ホント面白い奴。
古泉君は少し驚いてたけど。
「愛されちゃってるんですね、僕」
貴方にも涼宮さんにも。そう悪戯っぽく笑った見惚れたなんて何か悔しいから教えてなんかあげないわよ!



4.なかなおり

二人がケンカした。
理由なんて知らないわ。
きっと私みたいな第三者からしたら下らないような事よ。
でも、早く仲直りして欲しいわ。
古泉君は感情を隠すのが上手だから分からないけどキョンの馬鹿は分かり易いぐらい落ち込んでるんだもの。
今までもケンカが無かった訳じゃないみたいだけどいつも古泉君がすぐ謝ってたらしいから。
「キョン、あんた早く謝りなさいよ」
「簡単に言うなよ」
「簡単よ。ごめんの三文字じゃない」
「その三文字を決して口にしないお前が言うな」
「なっ…。兎に角、今日はみくるちゃんがきたら有希連れて三人で帰るからちゃんと謝りなさい!」
そう言った時みくるちゃんと古泉君が来た。
「みくるちゃん、有希と三人で買い物行きましょ」
「あ、はい」
有希とみくるちゃんを連れて部室を出る。
ドアの少しの隙間から中を覗く。
「あの〜…?」
「キョンがちゃんと謝れるか確かめるのよ」
「あ、そうなんですかぁ」
みくるちゃんが愛らしい笑顔で頷く。ほんと、今日も可愛いんだから。
中ではキョンが今にも泣きそうな顔で古泉君に話し掛けてるところだった。
古泉君は鞄から取り出した本を読んでてキョンになんか見向きもしない。
「こいずみ…」
「何です?」
反応が冷たい。
古泉君でもああいう反応できたのね。いつも笑ってるから知らなかったわ。
「怒ってる…?」
「当たり前です。怒ってる様には見えませんか?」
「ご、めん…」
「…何で僕が怒ったのか分かってます?」
「……う、ん…」
「…なら良いですけど」
少し困ったように笑ってキョンを抱き締める。
心配は要らないみたいね。
「さて、帰りましょ」





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