国谷が酒飲んでセックスしてるだけです。



今日の谷口はえらくご機嫌だ。ずっと喋ってるし、へらへらしてるし。何があったか知らないけど聞くのもめんどくさい。どうせろくなことじゃないだろうし。
「にしてもお前が鶴屋さん目的で北高に来てたとはなあ!」
「……うるさい」
キョンのお陰か涼宮さんのお陰か、最近鶴屋さんとも時折話すようになって、憧れは未だにあるけど恋じゃないことは確認できた。それがいいことなのかどうかは知らないけど、まあ一つずつそうやって感情が整理されていくのは気持ちがすっきりする。
「っていうか谷口、その辺にしておきなよ。バレたら面倒だよ」
未成年飲酒なんて、とかそんなことを言うつもりもないけど、既にベロベロの谷口が潰れたらもっとめんどくさい。
「なあ」
「うわ、酒臭いよ谷口」
上機嫌な谷口は缶をテーブルに置くとベッドに座ってる僕を押し倒して制服を脱ごうとする。酔ってて手元が覚束ないのかネクタイも外せないみたいだ。
「手、どけて」
「ん……」
大人しく腕を下ろした谷口の頭を軽く撫でてネクタイを外してあげると、今度は僕のシャツのボタンを外し始める。まさかこの酔っ払い発情してるんだろうか。
「白いなあお前……可愛い顔してるし……」
僕の手からネクタイを奪うとそのままそれで目隠しをされる。何だかもう既にめんどくさくなってきた。たまには谷口の好きにさせてあげよう。
カチャカチャとベルトを外す音が聞こえて、ばさっとズボンがベッドの下に落とされる。たまには僕を抱きたいとでも言うのかと思ったけど、そういうわけでもないのか。
今度は僕のベルトが外されて、ズボンを軽く降ろされる。外気にさらされて寒いと思う間もなく温かいものに包まれた。
「っちょ、」
「ん、う」
そういえば手は拘束されてない、と思い出して股座に顔を埋めてる馬鹿の頭を撫でる。普段こんなこと頼んだってしてくれない癖に、どんな風の吹き回しだろうか。
酔ってるせいか谷口の口の中はすごく熱くて、それから普段よりずっとよだれの量が多くて、正直気持ちがいい。
「っ、ふ、んぐ、」
「……もういいよ、苦しいでしょ」
「鶴屋さんでも想像しとけって、イかせてやっから」
谷口はそんなことを言ってまた熱心に舐めだす。っていうか馬鹿だな、それでずっと様子おかしかったのか。
目隠しを取って体を起こすと、谷口は苦しそうな顔をしてた。しかもよく見れば自分で後ろを解してる。
「谷口、交代しよう」
「え、あ、目隠しは」
「取った」
ほら、と腕を掴んで場所を交代すると不満そうに尖る口にキスを1つ。それだけでちょっと機嫌が良くなるんだから谷口はちょろい。足元に転がってるローションを手に取って後ろに触ると、こっちもいつもより熱い。
「っうあ、いきなり入れんな」
「色気ないなあもう」
蹴ろうとしてきた足を掴んで抑えると、谷口はまた不満そうな顔をして、腕で口を押える。
「っ、ふ、」
最近してなかったから指一本でも辛そうだ。まあ僕は誘うたび拒否されてたから悪くないんだけど。
少しずつ奥に入れて抜き差しをして、少し緩んで来たら前立腺に触れる。
「っ、ん、んっ」
「腕どかしなよ、声出して」
「うあ、そこさわんな、って……っ」
口元を押えてる手を握って退かすと、嫌そうな顔で僕を睨んでまた蹴ろうとした。
「もー、痛いの嫌いでしょ。気持ちよくしてあげるから暴れないでってば」
「あ、ま、待て、って……くに、んぅ」
騒がしい谷口をキスで黙らせると、大人しく背に縋り付いて気持ちよさそうな顔をする。最初は舌を入れるだけでぎゃあぎゃあ騒いでたくせに、今じゃ自分から口開けて待ってるんだから可愛い。純粋に気持ちいいのが好きなんだろうけど、こんなにちょろいとちょっと心配だ。
指を増やすと少し痛かったのか舌を噛まれる。
「っわり、」
「ん、ごめんね痛かった?」
普段よりずっと多くローションを使ってるし、最近ご無沙汰だったとは言っても酔ってて力が抜けてるみたいだからそこまで痛くはないはずだけど、辛そうな顔は好きじゃない。
指を抜くと谷口は驚いたのかがばりと起き上がって、頭を押さえて呻きながらまた沈み込む。
「酔ってるんだから暴れないの」
「うるせえ、やめんのかよ」
「やめないよ」
ローションでぬるぬるした指で乳首を摘まむとそれだけでびくっと震える。そのうちここだけでイけるようにならないかなあなんて思って散々弄ったのは僕だけど、谷口は最初からここは敏感だった。
「あ、う、ぬるぬる、して……っひ」
「きもちいでしょ」
「ま、っだ、だめ……って、うあ、あ……っ」
円を描くように撫でまわすとそれだけでまたびくびくと震える。もう片方の手で再度指を入れるとさっきよりは緩んですんなりと奥まで入った。ローションを塗り広げるみたいに中を擦っていると、乳首の刺激と中の締め付けが連動してるのが良く分かって面白い。
「くに、きだ、ぁ」
「ん、どしたの谷口」
すっかりとろとろの顔をして気持ちよさそうに僕の名前を呼ぶ谷口は可愛い。普段もまあ、アホでかわいいけど、こうやって僕に抱かれてるときは何だか素直になれるみたいでたくさん甘えてくるからすごく可愛い。
胸で遊ぶのはやめて、すっかり張りつめていたそうなモノを咥えると驚いたのか頭を押さえつけられた。
お返しに指を増やすと今度は太ももで頭を挟まれる。あんまり力は入ってないけど、痛い。
裏筋や先っぽを吸い付くように舐めながら中で指をバラバラに動かすと、切羽詰まったような声が聞こえる。
「だめ、だって……、くにきだ、イ、っあ、んぁっ!」
根元を押えてイけないようにすると抗議するように軽く頭を叩かれた。
「ん、ゴム取って」
「……いらねえよ」
そのまま入れろ、なんて男らしいんだか馬鹿なんだか良く分からないことを言う谷口を無視して、サイドボードの引き出しからコンドームを取り出す。何だか不満そうな顔をしてるけど、うっかり中で出しちゃったらお腹を下すのは分かりきってるくせに、多分女の子より面倒だと思われたくないとか考えてるんだろう。
「男なんだし、別にそんな丁寧にしなくてもいいだろうがよ」
「馬鹿だな谷口。好きだから大切にしたいだけだよ」
やっぱり正解だったのか、ちょっと嬉しそうな顔でそうか、なんて小さく頷きながらずっと僕の手元を見ている。ゴムを袋から出して付ける所をガン見されるのは慣れないけど、それを見ている谷口の恥ずかしそうなでも期待してるみたいな顔は可愛い。
「入れるよ」
「お、おう……」
恥ずかしいのか両腕で顔を隠して、受け入れるために深呼吸している谷口の頭を撫でる。やっぱり久しぶりだからか中は狭いけど、少しずつ奥に進めていくと、谷口は気持ちよさそうに息を吐いた。
根元まで入れて馴染むのを待っていると手が伸びてきて腕を掴まれる。
「国木田、キスしようぜ」
「ん、」
谷口の方が背が高いから苦しいだろうに、体を少し起こして僕にしがみつきキスをねだる姿はやっぱり可愛い。
「ん、ふぁ……っん」
腰を掴んで軽く揺するとそれだけでまた気持ちよさそうな顔をする。
とろとろに溶けた顔で一生懸命ぴちゃぴちゃと舌を動かして、あんまり上手くはないけど必死な感じもやっぱり可愛い。女の子が大好きなくせに、どこでどう間違って僕を好きになったのかなんて知らないけど、きっと一生離してなんかやれないと思う。
「好きだよ、谷口」
「や、まだ……っ、うご、くな、あ、あっ……」
軽く抜き差しするだけで随分と気持ちよさそうな声を出して、お酒を飲むとどちらかと言えば感覚は鈍るはずなのにいつもよりも良さそうだ。中もなんだかすごいうねって絡みついてくるし、まるで搾り取ろうとしてるみたい。
「いつもより敏感じゃない?中もすごいよ」
顔を隠そうとした腕を掴んで両方とも手を繋ぐとそれだけで中が締まる。谷口はイチャイチャするのが好きだとは思ってたけど、まさかここまでだったとは。
「っふ、あ……くにき、だ……」
「ん、気持ちいいね」
手を握ったまま、浅いところで抜き差しすると前立腺に当たるのが余程いいのか、谷口は背を反らして喘ぐ。
「そ、こ……っひあ、だめだ、って、くに、イ……っ」
「っ、は、きつ……」
普段ならこれくらいじゃイかない癖に、びくびくと震えて谷口はイってしまった。中が痙攣するように締め付けてきて気持ちがいい。自分の顔まで精液飛ばして、ぼろぼろ泣きながらよだれを垂らしている。
「あ、う……っま、うごく、な……っ」
「イきたいから我慢して」
やだ、無理、といいながらも気持ちよさそうに泣く谷口にキスをすると、それだけでまた中が締まった。感じすぎじゃないかと思うけど、僕のことで頭がいっぱいになってそうな顔を見ると、いくらでも気持ちよくしてあげたいと思ってしまう。
「可愛いね、谷口」
「なっ、ば、ぁっく……も、ばか、やろ……うあ」
嬉しそうな顔をしながら罵られても可愛いだけだって、多分谷口には分らないんだろう。
奥を突くと最初の頃は痛がってた癖に、今じゃ随分気持ちよさそうに喘いでいる。
「あ、ぁ……っ、ん、あ!」
少し強めに突き上げると握った手に力が入る。少し動きづらくて手を離すと思いきりしがみつかれて、余計に動きづらくなった。でも耳元で喘がれるのは悪くない。
「くに、きだ、……っん、んふ」
「谷口、好きだよ」
「っや、あ……っあぁっ、!」
好きだよと言っただけでまたイったらしい。思いきり締め付けられてつられるようにイくと、谷口は僕に抱き着いたまま小さい声で俺も、と言った。
「ん?」
「っ、だーかーら、俺も好きだって」
「そんなの知ってるよ、馬鹿だな谷口は」
ゴムを縛ってティッシュに包んで捨ててから谷口の顔や体を拭いてやる。汗とか谷口の出したのとかでもう全身がべとべとだ。酔ってるんだしお風呂は明日と言いたいところだけど、汚れたまま寝るのは少し嫌だ。
「シャワー浴びっか」
だるそうに立ち上がって僕の腕を掴む谷口を抱き寄せて背中にキスマークを付ける。
「っだ、どこにつけてんだ!」
「おしりの上」
明後日体育あんだぞ、と嫌そうな顔をする谷口に腹が立ってお尻をぺちんと叩くとグーで殴られた。さすがに痛い。
でもよくよく見れば耳は赤いし口元だってちょっと緩んでる。嬉しいなら嬉しいと素直に言ってくれればいいのに、谷口はどうもツンデレみたいだ。そこも可愛いところだけど。
谷口は馬鹿でアホで五月蠅いけど女の子が好きだし、あんまり僕に束縛されるのも嫌なのかと思っていたけど、どうやら違うらしいと最近分かってきた。もう少し独占欲を見せてもよさそうだな、なんて思って、いつの間にこんなに谷口のことを好きになってたんだろうとちょっと鬱になる。
「シャワー、いかねえの」
「行くよ」
立ち上がって手を繋ぐとそれだけで嬉しそうな顔をされて、可愛いし、両思いだし、取り合えずそれでいいか、なんて。谷口はやっぱり可愛いくて、僕は結局そんな谷口が好きで仕方ないみたいだ。





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -