「お前にとっての幸せって何だ?」

彼は何時もとは違う、真面目な表情でそう言った。
一体何故そんな事を言い出したのかが分からず、思わず固まる。

「なぁ、お前にとっての幸せって一体何なんだ、古泉よ?」

もう一度、今度は最後に僕の名を付け足してそう聞く彼に、僕は咄嗟に答える事が出来なかった。
今までそんな事は考えた事も無かった。

「僕にとっての幸せ、ですか」
「そう」
「考えた事もありません」
「じゃあ考えろ」

そう言われ考える。
何だろうか。

SOS団の活動をしている時?
バイトの無い休日?
違う。
じゃあ何だろう。

「あぁ、簡単な事、だったんですね」

そんな事、考えるまでも無い。
僕の幸せは。

「貴方が傍に居て下さることです」
「合格」

僕に触れるだけのキスをして、彼は悪戯っぽく笑った。









あぁ、なんて幸せ!
(俺もお前が居てくれるだけでいいんだぜ?)(愛してるからな!)