少量のアルコールで程良く気分も上がり、その勢いのままになし崩しにベッドへなだれ込んだ二人。何度も繰り返しているとはいえ、自身の尻穴にペニスを捻じ込まれることにどうしようもない違和感と恥ずかしさとを感じているカイジが少しずつ気持ち良くなってきた頃、それは起こった。
「っ……くっ、んん、ひぅっ、」
「……なあカイジ、出そう……」
「は、あ、今日は随分早くねぇか?」
「や、なんつーかその。ションベン出そう」
「…………は?」
動くのを止めた和也はモジモジと落ち着きなく視線を彷徨わせている。「ションベン……?」と小さく復唱するカイジは事態を飲み込めていないようだ。
「あー、ずっと我慢してたけどもう無理……このまま出していい?」
「はあ!?とっとと便所行けよ馬鹿っ……!抜け早く!」
「いやいや!間に合わねぇよ、うちの廊下の長さ知ってんだろ?」
「だからってこのまま出して良い訳あるか!もっと早く言えよ!」
「ていうかさ。正直、こういうのやってみたかったっ……!」
「はああ〜〜?」
開き直り目をキラキラと輝かせる和也。カイジは青ざめ何か言おうとしたが、再び突かれそのままガクガクと全身を揺さぶられる。
「あっあっ、や、だっ!抜けっ早くっ、やだって、和也……!」
「カイジ、出すぞ……!」
「ひっ……!う、あっ、あぁぁぁ……!?」
「っはぁ……!」
和也が身体をぶるりと震わせたのと同時に、カイジの悲鳴が上がる。じょろじょろと無遠慮に注ぎ込まれた尿。腸内に一気に広がる生暖かさに腰がビクンと跳ねる。
「ほん、とに……腹ん中……」
あまりの出来事に唖然とするカイジ。じわりと涙の滲んだその目元に、和也は優しく口付ける。そしてコポ、という音と共に少しだけ腰を引くとゆっくりと動き始めた。
「え、うぁっ!?まだすんのかよ!?」
「カカッ……!まだ俺もカイジもイってないじゃん」
抽送を繰り返す度に、ポタポタとシーツにシミを作った。むわっと立ち込める臭気にカイジは顔を顰めるが、ぐっと奥まで突き上げられるとあっという間にその表情は崩され上擦った喘ぎ声が響く。大粒の涙が溢れてボロボロと頬を伝っている。和也は楽しそうにその顔を眺め、カイジの赤く腫れた乳首をグリグリと摘み上げながら熱っぽい声を出した。
「なぁ気持ち良い……?俺今っ、すげー興奮してるよっ……!」
「あ、んん、へ、んたい!変態っ……!」
「じゃあその変態にションベン注がれて、そのまま突っ込まれて喘いでるカイジも変態だな!」
もう反論する余裕も無かった。いや、あったとしてもする気にはなれなかっただろう。カイジは腹の中がぐちゃぐちゃに熱く掻き回される快感、そして普通なら考えられないことをしている背徳感に羞恥を感じつつも酔い始めていた。前立腺をゴリゴリと擦られたのを合図に更にその声は甘みを帯び、内腿が震え出す。
いつも以上に激しい水音。酷い臭い。カイジがぎゅっと目を瞑ると、乱暴にペニスを扱かれた。思わず目を見開いて声を出すと、汗をかきながら笑う和也が見える。
「あ、ぁ、和也っ……イく、イくっ……!」
「ん、俺もっ……!またナカに出してやるよっ……!」
「〜〜〜っ、あぁぁ、んんっ」
カイジが射精し自分の腹の上を汚したのに続き、びゅるびゅると精液が注がれ腸内を満たす。和也がぬるりとペニスを引き抜くと、閉じきらずにヒクヒクと動く尻穴からは白濁に混じって黄色みを帯びた液体がびちゃびちゃと流れ出てくる。排泄をしているかのような感覚が快感と不快感の両方を生み、またカイジの頭の中を蕩けさせてしまう。
「うぁ、溢れて、……和也、これやだ……」
「あぁもう!カイジ可愛いっ……!」
ビクビクと身体を震わせているカイジを和也は強く抱き締めた。放心状態のカイジは暫く惚けていたが、腹部に嫌な痛みを感じてようやくハッとする。
「うっ……し、信じらんねっ……最低だ最悪だ……!」
「ちゃんと洗ってやるからダイジョビダイジョビ!」
「そういう問題じゃねぇ!」
覆い被さっていた和也を強引に退かし、横向きになると腹を抱えて小さく丸まってブツブツと呟く。
「うぅ、シャワー……でも腹痛くて立てねぇっ……」
「……あのさぁ……」
カイジが頭だけで振り返ると、チラ、と控えめな視線を送ってくる和也と目が合った。和也は自分を見つめる警戒しきった眼差しに気付くと、触れようと伸ばした手をそのまま下ろして小さく唸る。そしてたくさんあった言いたい言葉の中からなんとか一つだけを絞り出した。
「俺とのセックス、嫌になった……?」
そっぽを向きながら、少しだけばつが悪そうに尋ねる和也はどこか憎めない。カイジは困ったように「もうすんなよ……」と力無い声を出したのだった。