【坊カイ語り】どちらかがお風呂に入りました。その後タオルや着替えを用意するのを忘れたときの2人の対応について語りましょう。 http://shindanmaker.com/169048
→この結果から出来たお話です。



「カイジ〜!タオルと着替え取って!鞄の中に入ってるからよ!」


脱衣所の方から大声で呼ばれ、カイジは眺めていた雑誌から目を離し和也の持ってきた鞄をチラリと見た。一泊にしてはあまりにも大きくいかにも重そうなそれに呆れるが、泊まりに来ても何も用意はしないと言ったのは自分だったと思い出し、そのままズリズリと引き寄せる。

綺麗に畳まれたタオルと着替えはすぐに見つかった。着替えは下着とTシャツ、ジャージが一纏めにされて入れられている。ジャージは学校指定のものなのだろう、校章だと思われるマークが縫い付けられたものだ。タオルの方は驚く程手触りが良く、カイジにはわからないが高級そうなロゴが刻まれていた。ミスマッチなそれらを小脇に抱え、脱衣所へ向かう。


「ったく、先に用意しとけよな」

「悪い悪い、いつもは黒服が用意してるからさ」


和也はタオルを受け取り頭をガシガシと拭き始めた。腕の中に残された着替えを洗面台の上に置くと、用は済んだとばかりにカイジは出て行こうとするが、すぐに声を掛けられた。


「それにしても狭いな〜カイジの……シャワー室……?浴槽も一応ついてたけどさー足も伸ばせないし逆に疲れね?」


少し前のカイジであれば腹を立てていたであろう発言も今では慣れたものだ。思ったことを悪気なくそのまま口に出してしまう彼を、子供っぽいが素直なのはいいと許せてしまうのは恋人の贔屓目からだろうか。カイジは思わず苦笑いしてしまう。


「今度うちの広い風呂で一緒に入ろうぜ。テレビも酒もあるし……あとはそうだ、泡風呂!カイジやったことないでしょ?」


和也は目を輝かせながら次の計画を立てていて、濡れた身体を拭く手は殆ど動いていない。


「……いや、泡風呂はいいや」

「一緒に入るのは?」

「い、一緒に入るってだけだからな!変なことすんなよっ……!」


顔を赤くして吃るカイジに嗜虐心をくすぐられない筈もなく。和也は思わず、ニヤニヤと悪い顔をしてしまう。


「……なに?変なことってナニよカイジ〜?俺は風呂入ろうって誘っただけじゃん?」

「ぐっ……!そ……それよりっ……いつまでダラダラしてんだ!早く服着ろよ、風邪ひくぞ!」

「はいはい」


バタン!と大きな音をたてて扉を閉められる。カイジの照れ隠しってわかりやすいよなあ、と楽しそうに笑う和也の身体は、すっかり冷えてしまっていた。


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -