雪のパラパラと降る寒い日に、金色に揺らめく影が1つ。





「こんちはー」

「おー、上がれよ」





所謂「お家デート」がしたい!と言いだした佐原はカイジの家に来ていた。
そのために雪の中をせっせと歩いて来たのである。





「カイジさーん寒いッス!」

「毛布いるか?」

「ストーブとかないんですか?」

「…金ねぇの知ってんだろっ」





あーですよねー、なんて気の抜けた返事をする佐原に、カイジは毛布を投げつけて隣に座る。





「うわ」

「佐原、なんか顔赤いぞ」

「だから寒いんですって。雪ッスよ今日!」

「ふーん」





今日がどんなに寒い日だったかを熱弁する佐原に手を伸ばすカイジ。
それに気付き何ですか、と聞く前にその手は佐原の赤くなった頬を撫でた。





「結構積もってんのか?」



しかし今の佐原に、カイジの質問に答える余裕はない。



(普段ボディタッチを一切しないあのカイジさんが…


俺の、ほっぺを!)





こんななんでもないことが、実は佐原にとっては大事件である。

何しろカイジは恋人の佐原にほとんど触らない。くっつきもしないし、とにかく向こうから何かしてくることがないのだ。




その、カイジが。





(ヤバい嬉しいっ…!)



「…佐原?」

「な、なんですか!?」

「いやだから雪積もってんのかって…なんだよ、聞いてねぇのかよ!」

「だ、だって、カイジさんが撫でてくれたのが嬉しくて…」

「………!む、無意識だ無意識!」

「それでも嬉しいッス!もっとスキンシップしましょうよ〜」





もう何もかもが恥ずかしくなりカイジは体育座りした膝の間に顔を埋めてしまうが、テンションの上がりきった佐原は気にせずに話しだす。




「あの、こんな風にいつでも触っていいッスよ、大歓迎です!俺も触りますから!ね!」

「………おう…」





しかし無意識とはいえ人に触れるという(本人にとっては)かなりの難関を突破したカイジはそれ以降、佐原に触れる回数が少しだけ増えたとか。



…佐原が密かに目指しているバカップルになる日は、もう目前なのかもしれない。



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stant7のリナさんへの相互記念です!
佐カイで、とのリクをいただいたのでノリノリで書かせていただきました。

寒くてほっぺ赤い佐原は可愛いと思うのです!!


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