その日ヒソカは珍しく蜘蛛の集会に行っていて、夕方にこの町まで帰ってくることになっていた。そしてそれを迎えたのは、満面の笑みのゴン。
「ヒソカ、お帰り!」
「ただいま◇いい子にしてたかい?」
「もう、子供扱いしないでよ!」
「ごめんごめん◆」
「早く帰ろう、疲れたでしょ?」
すたすたと歩き出すゴン。しかしヒソカは歩かず、その肩を掴んで手を差し出した。
「はい◇」
「え?なに?」
意図がわからないゴンは当然困惑する。
「手、繋ごうよ◆」
「えぇ!?恥ずかしいよ!」
「いいじゃないか◇」
「だ…ダメっ」
顔を赤くして慌てるものの、頑なに拒む。
そんなゴンに痺れをきらしたのか、ヒソカは伸縮自在の愛をお互いの手にくっつけた。
「………◆」
「うわっ!?」
「ゴン、僕と手を繋ぐのイヤかい?」
少し寂しげな表情をされて、罪悪感が生まれる。
「…ううん。全然。
恥ずかしかっただけだよ、ごめんね」
「そっか◇それならいいや◆」
上機嫌になったヒソカは、ゆっくりと歩き出す。
暫くしてから伸縮自在の愛ははがされたが、ゴンとヒソカの手が離れることはなかった。