ノスタルジィ現代(1/2)

※コラボ作品です
※万里様宅の佐助兄主が登場します

城内に変なのがおった。鮮やかな朱金の髪の…多分忍。
忍装束を着ておるし忍で間違いは無い筈だが…その目立つ頭は隠さぬでいいのか?
まるで何処ぞの忍ばぬ忍の様によく自己主張をしておるワ。
「電車の乗り換えで迷った事もあったなぁ……ここは一体ドコだ?」
そ奴が肩を落とし一人ぶつぶつと呟いておる。
「ぬしはそこで何を」
「ぎゃあああ!!」
振り向いた忍は失礼な事に我の顔を見て悲鳴を上げおった。


「振り返ったら包帯男が目の前って驚くって!」
「失礼なやっちゃ」
騒ぐ男を叩いて鎮めて炬燵に放り込んで茶を出した。
男は「あ、どうも」と軽く頭を下げそれを啜る。
我が言うのもなんだが忍が敵地で出されたものを飲むな。
「で。刑部貴様は何故侵入者とまったり茶を飲んでいる」
コヤツは誰だと睨む三成に、コレを見付けた経緯を聞かせたところ渋い顔が返ってきた。
ナニユエか。そんなモン一つに決まっておる。
「だって面白かろ?」
「…刑部…貴様は」
想像はしていたのだろう、三成は深く重い息を吐いた。何時か痛い目見ろ馬鹿、と三成の呟き。それは男に聞かれていたようで忍は苦笑い気味になる。
「ヤ、だってこんな機会は他には無いぞ。何せコヤツは平成…かどうかは知らぬが現代を知る者ユエナ」
「何!?」
「!何でそれを!?」
目を剥く三成…はいいとしてもナニユエぬしまで驚いた顔をする。
おやまあ、もしや気付いておらなんだか。
「電車の乗り換えとか自分で言うておったではないか」
「…あーそう言えば。んで、二人も?」
我の言葉に男は納得した様で驚き顔をすぐさまへらりとした笑みに変える。
…はて、何処ぞで見た事のある気のする軽薄さ。
「ああ」
三成の短い肯定に男は「そっか、そっか」と嬉しそうに零す。
「奇遇ですねー」
「…まあ、な」
ウゥム…胡散臭くもあるこの笑み、誰かに似ておるような…。

「こちらに彼方殿の気配がぁぁ!!」
「え?彼方の…?って、ちょっと大将!落ち着いてよ!」

「…騒がしいのが来たな」
どったんばったん。忙しない音に三成が眉を顰める。
客人殿が驚いてはおらぬかと視線をやれば、
「幸村様と佐助の声…?」
目を丸くしておった。
「ぬしらは旧知か」
「ええ、まあ…」
ああソウカ。似ておると思ったのは猿飛か。

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