ジャンク | ナノ
 縮毛矯正の話


「よぉ」
「…赤木さん、来るときは連絡してくださいって言ったじゃないですか」
「しようと思ったんだけどなぁ」
「だけど、なんですか」
「公衆電話が見つからなかったんだ」
「あれ?こないだは携帯、持ってませんでしたっけ?どっかの組の人に持たされたとかいうやつ」
「壊れた」
「いったいどんな使い方したんですか…」
「普通に使ってたら勝手に壊れたんだよ。…ん?…そーいやお前、髪型変わったな」
「あ、わかります?縮毛矯正かけてみたんですよ」
「……しゅくもーきょーせい?…なんだそりゃ」
「えーと、簡単に言うとストレートパーマのことです。ほら、わたしの髪ってくせっ毛でうねうねしてたでしょ?あれをまっすぐにしたんです」
「ほぉ」
「見てください、こんなにサラサラまっすぐストレート」
「お、ほんとだ、すげぇな」
「へへへ。毎朝快適ですよ、寝ぐせもほとんどつかないし」
「うーん、でも、」
「はい?」
「あのくるくるした髪、俺は好きだったんだけどなぁ」
「!」
「まっすぐなのもいいけどよ」
「………」
「どうかしたか?」
「あと、」
「?」
「数ヶ月したらイヤでもとれちゃって元に戻りますよ。わたしの髪、くせが強いですし」
「なんだ、そういうもんなのか」
「ええ」
「あ、そうだ、なんか食うもんあるか?まだ晩飯食ってねぇんだ」
「わたしの食べた残りでよければありますよ。これでいいですか?」
「おぉ。ん、今日はギョウザか」


(パーマ、かけなおそうかなぁ…)




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