ジャンク | ナノ
 メモログ詰め合わせ


※全体的に下ネタ注意!




<運転の話>


「ねぇねぇ、リツカちゃん」
「ん、なあに」
「ヒマ」
「あっそ」
「うわぉ、つれない返事。かまってくれないと有三ちゃん眠っちゃうよー。そしたら事故っちゃうよー」
「はいはい、安全運転でお願いします。音楽はかけてるでしょ。ガムもアメもあるし。これ以上あたしと何の話したいの?あたしも眠いんだけど」
「うーん、そうだなぁ。あ、じゃあさ、ちょっと提案なんだけど」
「ん?」
「この辺って車通りすげぇ少ないじゃん?」
「うん」
「っていうか人っ子一人いないじゃん?つまり誰もオレたちのことを見てない」
「そうね」
「だからさ、舐めてくんないかな」
「……は?」
「舐めて」
「なにを?」
「オレのナニを」
「………」
「………」
「あのさ、有三」
「んー?」
「その大事なナニを恋人がうっかり噛み切っちゃうっていう事件がね、年に数件起こるらしいよ。その大半は運転中なんだって。車の中でしてもらってる最中に事故にあっちゃったり、急ブレーキかけたりしたときの衝撃なんかで、ついうっかり」
「………」
「それでも、して欲しい?」
「……スミマセンデシタ」
「うむ、よろしい」





<女遊びの話>


「おい聞けよ森田ぁ、巽のやつがなぁ」
「ちょ、安さんってば、言いふらさないでよ恥ずかしい」
「いーじゃねぇか、減るもんでもなし」
「なんかあったんですか、安田さん」
「実は巽がな、ぶふっ、くくく、け、毛ジラミに、かかったんだってよ!あっはははは!」
「安さん、笑いすぎ」
「あー、腹痛ぇよホント」
「人ごとだと思ってバカにしてさ。そのうち自分だってもっと酷いのにかかるかもしんないくせに」
「…?…えーと、シラミっていうと、あの頭につくアレですか…?」
「あ?お前、毛ジラミ知らねぇの?」
「はぁ…聞いたことあるような、ないような」
「毛ジラミってのはなぁ、シラミはシラミでも下の毛につくやつのことだよ。いわゆる性病だな、せいびょー」
「えっ!性病!?」
「そ。どこの女から貰ってきたんだかねぇ」
「ちぇっ、人の苦労も知らないで」
「ほんとにどこで貰ったか心当たりねぇのかよ」
「ないね。…いや、逆か。ありすぎてわかんないのよ。あれ、潜伏期間が1ヶ月から2ヶ月くらいあるらしくてさ、その間にシた女の子となると、ちょっと…」
「はぁー、呆れたもんだな」
「…知らなかったな、巽さんってそんなに女遊びが好きだったんですか?」
「えー?いやいや、別にそうでもないよ」
「何言ってんだよ。めちゃくちゃ好きだろ」
「安さんに言われたくないね」
「しかしあれだな、リツカちゃんがカンカンだろ」
「あー、それ。もうね、カンカンなんてもんじゃないよ。冷戦状態っての?まともに口もきいてくれなくなっちゃった」
「そりゃお前、自業自得だ」
「えーっとあの、すいません、その『リツカちゃん』ってのは…」
「ああ、巽の本命彼女さんだよ」
「えっ、本命いるのに女遊びしてんすか」
「うーん、まぁね、リツカちゃんのことはちゃんと好きなのよ?でもさ、それはそれ、これはこれだからねぇ…」
「はぁ…そういうもんなんですかね」
「その子もさっさとこんな男なんか見限って別れりゃいいのによ」
「そりゃあれよ、オレたち愛しあってるから」
「けっ、愛が聞いて呆れるぜ」
「それでその彼女さんは許してくれたんですか?」
「いや、それがさ、リツカちゃんってば酷いんだよ。毛ジラミにかかったみたいです、って言ったら、汚物でも見るみたいな目でオレを見てさ『完治するまであたしに指一本触らないでくれる?』だって。それから本当にオレに近づいてくれない。悲しい」
「それのどこが愛しあってんだよ」
「病院には行ったんですよね」
「行ったよ、行った。生まれて初めての性病科。薬貰ってさ、陰毛を全部剃ってください、って言われたよ」
「え、おま、それ、剃ったのか?全部?」
「もちろん剃りました!すっかり剃毛いたしましたよ」
「マ、マジかよ!ぶはははは!!おもしれぇ!!」
「ってことは巽さん、パイパン…」
「そうだよ!つーかさ、どんだけ恥ずかしいかわかってんの?男なのにこの歳にしてツルツルだよ?」
「いや、なんていうか、温泉とか行けないっすね」
「どっかで最強の浮気防止策は下の毛を全部剃っちまうことだって聞いたことあるけどさ、ほんと効くと思うよそれ。恥ずかしくって人前で絶対パンツ脱げねぇもん」
「ぶっくくく…、巽ぃ、あんま笑わせんなよぉ」
「さっきから安さんほんと失礼だよね」
「いやいや、ってことはあれだな、リツカちゃん的には結果オーライなんじゃねぇか?浮気できなくて」
「はぁ?」
「そうですよ。これにこりて女遊びやめたらどうですか」
「んだよ、森田まで。お前ら自分は関係ないと思いやがってさぁ。気ぃつけろよ?あれ、ゴムつけても予防になんねぇんだからな」
「へいへい、気をつけますよ」
「しかしまぁ、さすがのオレもちょっとはこりたかな…。泌尿器科やら性病科やらにはもうお世話になりたくないね」
「早く治るといいですね」
「まったく。治るまでセックスできないもん」
「そこかよ!」
「ぜんぜん反省してないじゃないですか!」




<続・女遊びの話>


ピンポーン、ピンポーン

「……はい」
『あ、リツカちゃん!オレだけど』
「私にオレなんて知り合いはおりません」
『えっ、ちょっ、オレだってば!巽!あなたの優しい彼氏!巽有三です!』
「誠に残念ながら、私に優しい彼氏はおりません」
『そんな…、イジワル言わないで玄関開けてくださいよぉ。外すっげぇ寒いんだけど…』
「浮気につぐ浮気を重ねた挙句、病気もらって開き直るような男に暖まる権利はありませんから。勝手に凍えてれば。じゃあね」
『ちょっと、そんな!リツカちゃん?リツカちゃん!』
「………」
『いーよ、いーよ。こっちには合い鍵がありますからねー』

カチッ、ガチャガチャ、…ガッ

「………」
「………」
「あのー、リツカちゃーん」
「………」
「リツカちゃーん」
「………」
「オレが悪かったよー、謝るからさー」
「………」
「チェーン外してよー」
「………」
「お願いしますー」
「………」
「………」
「………」
「……いつまでそうしてる気?冷気が入ってきてウチが冷えるんですけど」
「ああっ!リツカちゃん!オレの女神っ!」
「………はい、さよなら」
「ちょっ!お願い待って待って!行かないで!」
「……なに?なんか用?」
「あの、このチェーンロック、外してもらえないですか」
「………」
「あ、あのさ、今日がクリスマスだってこと忘れてないよ。これでもあの仕事大好き人間共に無理言って早めに抜けて来たんだ」
「………」
「えーと、ほら、これ、シャンパン!けっこー高いやつ!」
「………」
「それからケーキ!……これは駅前で売ってたやつ」
「………」
「そんで他にプレゼントもあるよ!マフラー!新しいの欲しいって言ってたでしょ?」
「………」
「………」
「………」
「やっぱり、まだ怒ってるよね……」
「……まあね」
「オレさ、本当に悪かったと思ってるし、反省してるよ」
「…だから?」
「自分がダメ男なのも理解してるよ。でもオレ、リツカちゃんのこと本気で好きだから。…それだけはわかって欲しいな」
「……ふーん」
「………」
「………」
「夜遅くにごめんね。じゃあ、オレは帰るよ。せめてこのシャンパンとかは玄関とこに置いとくから」
「………」
「ばいばい、リツカちゃん」
「………」
「………」
「………」
「………」

ガチャッ

「有三」
「!」
「なにぼさっとしてんの。さっさと中に入んなさいよ」
「リツカちゃん…!あ、ありがとう…!」
「べつに…ひとりでケーキ食べても美味しくないでしょ。……風邪ひかれても困るし」
「ああ、リツカちゃんは優しいね……オレ、なんか泣けてきたよ……お礼にチューしてあげる」
「うわっ、ちょっ、離してよ!」
「リツカちゃーん」
「バカ!やっぱ外で凍死でもなんでもすれば!」
「リツカちゃんがあっためてくれるから凍死しない」
「誰があんたみたいなシラミ持ちなんか暖めるか!ほら!中に入りたいんならさっさとしなさいよ!」
「うん、うん、ありがと。あ、ちょっと待っててね、いま外に置いてある荷物とってくるから」
「……あーあ、あたし、なんでこんな男がいいんだろ…」
「え?なんか言った?」
「なにも」
「うへへ、リツカちゃんと一緒にいられるなんて、最高のクリスマスだよ」
「……どういたしまして」





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