赤信号、停車中 | ナノ

 


きっと二人はまだ忘れていなくて、きっとあの人と彼女を重ねたくて重ねたくなくて藻掻いてる。私も同じ。


「難しいね、本当に」

「絵理華さん?」


二次元が大好きな私が何時しかドタチンのことを仲間以上に想っていた。でも遅かった。気付いた時にはドタチンの隣には名前さんが居た、元から私はあの人が苦手だった。
でもドタチンが選んだならと、自分の気持ちを心の中に転がし続けた。うちらがブルースクウェアを抜ける少し前に二人は別れた。

ダラーズに入り少しして名前ちゃんに出会った。それからは意外と簡単にドタチンが彼女をうちらの中に入れて、初めは同じ名前でどことなく似ていて驚いたけど私と渡草っちはあの人よりも名前ちゃんを好きになれた。ただゆまっちだけは彼女を受け入れなかった。私は彼女と友達になれて嬉しい反面、ドタチンは忘れていないんだという事実が悲しく思えた。


「好きなのに届かなくてさ」

「うん」

「悔しいんだ」


ずっとずっと積み重ねてきた想いは、溢れない様に必死だった。溢れない様に必死で、でも何年も何年も好きでいてあの人よりも私のが好きなんだって思い知らせたかった。意味のない自己満足だってわかっていても、1年後も5年後も、10年後だって私はドタチンを好きでいたい。


「いつか届けばいいね」

「そうだね、名前ちゃん」


私と彼女の気持ちがそれぞれ届けばいいのに。でもきっと紙飛行機に想いを乗せたらすぐに落下して近づくことすら許されないんだろうけど。


宙ぶらりんのオモイ

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