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「博士ー」
パタパタと、騒々しい音をたててこちらへやってくる、白衣を身に着けた少年。
頭には可愛らしい猫耳をつけており、お尻には、ふわふわしたしっぽがついていた。
「君か…」
「はい」
少年は振り返った俺ににっこりと笑う。
そして…、
「博士のおかげです、僕らロボットがこうやって生きてるのは」
俺に握手を求めた。
20年.
そう、20年かかった。
ロボットと、人間の協調する社会。
争いを少しでもなくす社会をつくるのに。
無事今までの努力が実り博士となった俺は、ロボットに依存しない社会の為、国に協力し、時に色々なロボットを産んだ。
20年.
俺の全ては、ロボットに注ぎ込んだ。
その結果が、今のこの社会だ。
*
「ごめんな…二十年かかった…」
そっと、愛しい顔を撫でる。何度も何度も動けばいいと願った、俺の愛しい…俺だけの、ロボット。
ジン。
動かなくなったジンは、ずっと家の地下に保管していた。
誰にも触られないように。
俺以外誰にも見られないように。
こうして、会うのは本当に久しぶりだ。
いつかの日のように、ドキドキしながら、口づける。
不思議と、怖さはなかった。
ジンは絶対に、動く。絶対に、もう一度俺を見てくれる、そう信じていたから。
でも…
「、…さま…シング…さま…?」
目をぱちぱちと瞬くジン。
絶対動くと信じていたのに…
俺の瞳には涙が込みあがってきた。
「うん、久しぶり、ジン」
「私…は…」
呆然とただ瞬きをするジン。
ジンの記憶は、あの日で止まっているんだ。
いきなりの起動にびっくりしているんだろう。
「ジン…もう…大丈夫なんだ。俺達は一緒にいられるんだよ…、もう…誰も邪魔はさせない…俺がお前を守るよ」
「…さま…」
「俺、もう39になっちゃったけどさ…おじさんだけど…まだ愛してくれるかな…ジン…」
「当たり前です…
我がマスター。愛しき、俺だけの…マスター」
そういうとキツクジンは俺を抱きしめた。
目に涙を浮かべながら。
パタパタと、騒々しい音をたててこちらへやってくる、白衣を身に着けた少年。
頭には可愛らしい猫耳をつけており、お尻には、ふわふわしたしっぽがついていた。
「君か…」
「はい」
少年は振り返った俺ににっこりと笑う。
そして…、
「博士のおかげです、僕らロボットがこうやって生きてるのは」
俺に握手を求めた。
20年.
そう、20年かかった。
ロボットと、人間の協調する社会。
争いを少しでもなくす社会をつくるのに。
無事今までの努力が実り博士となった俺は、ロボットに依存しない社会の為、国に協力し、時に色々なロボットを産んだ。
20年.
俺の全ては、ロボットに注ぎ込んだ。
その結果が、今のこの社会だ。
*
「ごめんな…二十年かかった…」
そっと、愛しい顔を撫でる。何度も何度も動けばいいと願った、俺の愛しい…俺だけの、ロボット。
ジン。
動かなくなったジンは、ずっと家の地下に保管していた。
誰にも触られないように。
俺以外誰にも見られないように。
こうして、会うのは本当に久しぶりだ。
いつかの日のように、ドキドキしながら、口づける。
不思議と、怖さはなかった。
ジンは絶対に、動く。絶対に、もう一度俺を見てくれる、そう信じていたから。
でも…
「、…さま…シング…さま…?」
目をぱちぱちと瞬くジン。
絶対動くと信じていたのに…
俺の瞳には涙が込みあがってきた。
「うん、久しぶり、ジン」
「私…は…」
呆然とただ瞬きをするジン。
ジンの記憶は、あの日で止まっているんだ。
いきなりの起動にびっくりしているんだろう。
「ジン…もう…大丈夫なんだ。俺達は一緒にいられるんだよ…、もう…誰も邪魔はさせない…俺がお前を守るよ」
「…さま…」
「俺、もう39になっちゃったけどさ…おじさんだけど…まだ愛してくれるかな…ジン…」
「当たり前です…
我がマスター。愛しき、俺だけの…マスター」
そういうとキツクジンは俺を抱きしめた。
目に涙を浮かべながら。