64
 彼女の記憶の始まりは、いつだって青白い液体の中から、外の風景を見るところからだった。
 液体の中で口を開けて泡を出す。すると、いつも白衣姿の老人が迎えに来てくれた。老人は液体に満たされたガラス管から彼女を出し、ふわふわのタオルで彼女の顔と髪を拭いながら、いつも決まってこの言葉を口にする。
「また会ったね。誕生、おめでとう」と。

 ササの地下に張り巡らされた地下水脈。その中の大きな水路の一つで、ゴボリ、ゴボリと濁った水の音が響いた。その音は次第に大きくなり、同時に水路の水面が激しく揺れ始める。
 やがて、音と揺れが最高潮に達したとき、その中央から巨大なトカゲに似た生物が水面下から現れ、巨大な口を開けて甲高い声で叫ぶ。と、同時に、その巨大な口から何かが飛び出した。
 それはトカゲとはまた違う声で叫びながら、宙を一回、二回と回って水面へと落ちていく。そして、トカゲに似た生物が忽然とかき消えたと同時に、それは大きな音を立てて水路へと沈んでいった。
「有り得ねえ!」
 10メートル近い高さから落ちたにも関わらず、水面へと浮上したそれーーセツは水路一帯に響くような大声で自分の置かれた状況への文句を口にする。
 トカゲに似た生物に飲み込まれたセツは、生きていたのである。
「それはこっちの台詞」
 必死に水中で唾液を落とす後ろで、呆れたような男の声がし、セツは般若の様相でそちらを見る。そこには茶色の髪をした若い男、ミズシがおり、彼もまた必死に咥内をすすいでいた。
 シキであるセツ達は組み込まれた遺伝子の生物に変態する事が出来る。それはまた、同じ魔物であるサイにも共通している事柄であり、彼らもまた変態することが出来る。つまり、先ほどの巨大なトカゲに似た生物は、サイであるミズシの変態した姿なのである。
 変態し、自らの咥内にセツを捕らえたミズシであるが、彼は今非常に参っていた。何故ならば、元より嘔吐しそうになっていたセツが、ミズシの咥内の臭いに耐えかね、そのまま嘔吐してしまったからである。
「本当あり得ない……。普通人の口の中で吐く?」
「やかましい! 好きで吐いたわけじゃないし、そもそも人を口に入れる時点でおかしいんだよ」
 言い合った直後、セツは一度水中に潜り、そして助走をつけて水面上に飛翔する。そして手のひらを水面へと向け、水面に結界を張ることで足場を築き、未だ必死に口を注いでいるミズシへと駆け抜ける。
 足が水面にふれると同時に、そこから新たな結界が作られ、結界の道は見る見る内にミズシへと迫る。端から見れば水面を走っている彼女の手には、いつの間にか抜刀された刀が握られていた。
 刃にミズシの首が触れるまで、あと五メートル、三メートル……。
 しかし、その足は目標まであと二メートルという所で急に止まり、勢いを殺しきれなかったセツは後ろに飛び退いて何とか速度を落とした。
 パシャン。と結界の下で水が動く中で、セツは忌々しげにミズシを睨む。何故か、彼の周囲の水は淀んでいるように見えた。
「いきなり首取ろうとするのは無いんじゃないの。頭大丈夫? ってかさ、君こんな事しちゃって良いわけ?」
「よく言うよ。そんな物騒な物漂わせておいてさ」
 セツが顎でしゃくって見せた先にはミズシの周囲を漂う緑がかったゲルのような物が漂っていた。
「それ、毒でしょ? あんた、何? 毒トカゲ?」
 明らかに異様な色のそれは、鼻につく異臭を放ちながら益々数を増やしていく。
 シキ特有の発光現象もなく能力を発動させたミズシは、さあねと言葉を濁すだけであった。質問に答えず、けれど益々緑の領域を増やす彼は、質問に答えるつもりは毛頭無いのだろう。
 返ってくることのない質問の答えを諦めたのか、セツは深くため息を一つ吐くと刀を鞘に仕舞って再度ミズシを見る。その目には今まで鬱陶しいほどに動き回っていた感情はおらず、ただ無の漆黒のみが鎮座していた。
 ーー似ている。
 その目にある人物を重ね合わせたミズシは、興奮から来る寒気を感じて水中で身震いする。
 つまらなそうにため息を一つ落とし、刀を鞘に収めて垂れてきた前髪を払う。何故かは知らないが、ミズシは興奮しているようだ。
 戦いに対する興奮かと思ったが、ケミがいつも纏っている雰囲気とは全く違う。どうも色が感じられてならないのだ。が、それが自分に向けられているようには到底思えない。
 何に対して盛っているのだろうと、少々冷たい視線を送り、セツは長い脱線を終えて本題に移ることにした。
「それで、私に手紙をよこした人は?」
 ミズシに見せつけるようにして持つ、すっかり塗れてしまった一枚の紙切れ。それはセツが偵察に向かい、そこからササに戻る途中に受け取ったものであった。
 遙か上空を舞っていたコウモリが落とした一枚の紙切れ。そこにはセツが読むことの出来る古代文字で「嘘の中に埋もれた真実を知りたいのなら、地下水道へおいで。案内は砂漠の子ども達がしてくれる」と書いてあった。
 そのコウモリが以前研究施設で会ったものだというのは、その規格外の大きさで簡単に分かった。そして、その送り主もまた。それが罠であるという事は理解していた。けれど、セツは甘んじてその誘いに乗った。
「まあまあ、そう焦らずに。もうちょっとお話しても……」
「こっちの質問にはまともに答えない奴と話すようなことなんて無い。早く私を連れていくか、そいつをここに連れてこい」
「うわー、横暴。でもさ、君がまた攻撃しないとも限らないから、会わせるわけにはいかないなぁ」
「しないよ」
「どうだか」
 しばらくミズシを睨みつけた後、セツは分かった。とため息混じりに呟いた。何が分かったの? そう尋ねるより早く、彼女は自分の利き手の健を切り裂いた。
 想像しなかった行為、そして赤い肉と血の間に見えたほとんど切れてしまっている腱を見て顔をしかめるミズシを余所に、セツは服の袖を切り裂いて乱暴に止血する。そして苦痛により少々ひきつった顔をミズシに向け、動かないから、これで良いだろ? と言って笑って見せた。
「でも君、再生能力あるだろ」
「あるけど、今は背中の傷を治すのにほとんど使っているからね。大体、そんな直ぐに治癒できるわけがない。腕が動くまで一日はかかるよ」
「あー……もう、大丈夫なの? ……わかった、乗りなよ」
 言うやいなや、彼の体は見る見る内に肥大化し、ものの数秒後、ミズシがいた場所には一匹の巨大なサンショウウオがいた。
 変態した彼は一息に周囲に漂っていた毒を吸い込むと、早く来いと言わんばかりに巨大な尾を水面に叩きつけてセツを誘う。
 ぬめり気のある背中に跨がったセツは、サンショウウオと化したミズシがゆっくりと動くと同時に押し殺したため息を吐き、苦しげに目を閉じる。
 タシャを失い、相談できる相手を失ったセツは、自分が今から下す判断の是非について悩んでいた。けれど、その他に目星い案は浮かばず、結局消去法でその選択を選ばずにはいられない。
 ーーみんな、ごめん。
 言葉にならなかった謝罪の言葉を心中で呟いた数十分後、セツはサイの象徴でもある白いローブを身に纏った者の前で、まるで服従を示すかのように頭を垂れていた。

 ・

 手遅れだったか。
 セツがミズシの背に乗って水路を進み始めた頃、ウリハリに乗って帰ってきたココーは、魔物によって荒らされたササの町を見てぽつりと呟いた。
 きちんと整備された静かなササの町は、今や魔物が徘徊する無法地帯となっていた。
 逃げ遅れた人の遺体をむさぼっている魔物を剣で引き裂き、彼は言葉を失ったウリハリを引きずるようにして町を進む。先ほどの遺体の状態からして、魔物がササを襲撃したのはほんの一時間の間であろう。
 通路の陰から飛びかかってきた魔物の首をはね飛ばし、目的地である宿場にたどり着いたココーは一通り室内を見て回り、もぬけの殻であることを確認すると、やっぱりな。と再度呟く。
「やっぱりあの人が……セツさんが……」
「いや、それは違う」
 絞り出すようにして口から出たのは、本来ここにいるはずの人物の名。
 しかし、ココーはそれを一声で否定し、血で壁に書かれた文字を指す。
『噴水の地下に避難する』
 あ。喪失状態のウリハリの口から、どこか間の抜けたような声が漏れる。
 ササのような守りが強固な都市はその守りを過信するあまり、一旦進入を許すと崩れるのが早い。その為、ササの至る所に地下シェルターや地上に通じる通路が設けられており、時折敵襲を想定した避難訓練も行われている。
 もっとも、今回は安全のための通路が仇となったのだが。
「案内しろ」
 恐らく噴水のシェルターを指しているのだろう。彼の不自由な言葉を脳内で補足し、ウリハリはようやく自由の利くようになった足を動かし、宿場から出る。
 途端、待ちかまえていた魔物が大口を開けて彼らに襲いかかってくるが、その牙が届くより先にココーが放った数本の短剣によって咥内を引き裂かれる。
 地面にもんどり打って悶える魔物の頭をブーツで踏みつぶし、ココーは魔物を駆除しながら進むぞ。と、彼女に戦闘態勢を命じる。
 直ぐに折り畳み式の弓を持ち、ウリハリはなるべく素早く。けれど魔物を見逃さないよう慎重に歩を進める。やがて二人が町の中央に出た頃、彼らは噴水の前で槍を手にして魔物の群と対峙している一人の青年ーードーヨーの姿を目に収めた。
 未だ体が不自由なドーヨーは魔物一匹をしとめる力はあるが、群となると太刀打ちできない。けれど、彼は魔物の群に食い散らかされる事無く戦っていた。それは何故か。彼の身が見慣れたセツの結界により守られているからである。そして、よく見れば彼の周囲には、同じく結界に守られた大勢の子ども達の姿があった。
「あ、新人ちゃんのお仲間? ちょっと助けてくんないかなー」
 状況にそぐわぬ間延びした声で助けを求められ、ココーは少し躊躇った様子を見せた後、ローブの中の短剣に手を伸ばす。が、結局それが放たれることはなかった。
 何故ならば、子ども達の姿を確認した直後、ウリハリが目にも留まらぬ早業で何十。否、何千もの矢を無言で放ち、魔物の群を蜂の巣ならぬ剣山に仕立て上げたからだ。
「皆さん、大丈夫でしたか?」
 安堵から涙で顔をくしゃくしゃにする子ども達をウリハリが宥める横で、ドーヨーは「ありがとうねー」と相変わらずの笑みを浮かべてココーに礼をする。しかし、等の本人は一言も返すことなく、ただじっとドーヨーの胸元を見るだけだった。
「あ、これ? 何か、新人ちゃんがくれたんだよー。お守りだって。肌身離さずとか言うから、気持ち悪いなって思ったんだけど、これが壁作ってくれて、死なずにすんだよ」
 確かにセツはドーヨーと仲が良い。けれど所詮人間とシキだ。かつて袂を分かって争っていた相手に過ぎない。王子と言い、この男と言い、いつまた争いを起こしかねない存在に、何故そこまで親身に慣れるのか。
 少し面白くない気持ちになっていると、不意にローブの裾を引かれた。なんだ、と目線だけ下に向けると、あからさまに不機嫌な目に射抜かれて恐縮する一人の少年ーーヒージョの姿があった。
 特に交わす言葉もないのでそのまま見ていると、視線に圧されたヒージョが「これ……」といっておずおずと手を伸ばす。それに対し、手を伸ばすでも無くただ眺めていると、ヒージョの指の間から麻紐に通された真珠色の石が付いていることに気付く。
 すぐさま奪い取って眺める。間違いない。セツの結晶であった。
 何故セツは人間にほいほい貴重な結晶を分け与えるのか。そもそも、結晶を砕く等考えられない。益々面白くない気持ちになっていると、ヒージョが言い辛そうに、けれどしっかりとした口調である事実を述べた。
「あの人、黒髪のシキの人は敵軍に下ったよ」
「ふざけるな」
 思わず口から出た本音に、ヒージョが凍り付く。けれど、すぐさま気を取り直し、彼はまだ幼さが残るかすれた声で、ありのままをココーに告げる。
 全てを聞いたココーはそうか。といつもの調子で呟き、短くウリハリの名を呼ぶ。
「今から前線に向かい、クサカ、クロハエ、ケミを回収する」
「ですが、まだ向こうは敵軍が……」
「恐らくこの戦争はセツから気を逸らすための囮だろう。今頃は撤退しているか、ほとんどが思考を持たない下級の魔物と化している筈だ。放っておいても構わん」
「ですが、仮に皆が集まったとしても水路を渡る術は」
「ケミにやらせればいい。蛇なら泳げるだろう」
 そんな無茶な。思わず心中で呟くが、ココーは至って真剣だ。むしろこの男が口にするものは全て真剣なものだ。彼が冗談を口にするなど、天地がひっくり返り、全ての水が山羊の乳に変わったとしてもあり得ない。
 もはや何と声を掛けても聞き入られる事はないだろう。一種の諦めの境地に達した彼女は、分かりました。と了承の意を口にする。が、その声にはまだどこか躊躇いが含まれていた。
「その為に、まずはササにはびこる魔物を始末し、入り口を封鎖する」
 が、ぶっきらぼうに告げられたその命令に、ウリハリの躊躇いは風に吹かれた砂のように消え去った。

 ・

 所持していた痛み止めを飲んだところで傷の痛みが消えることは無く。ただ黙って痛みと戦うセツは、長い水の旅を終え、枯れたカレーズにたどり着いていた。
 喚きながら走り回りたい気持ちを懸命に抑えようとするも、限度を超えた痛みは徐々に理性を侵し始める。が、ここで負けては駄目だと言い聞かせ、下唇を噛んで耐える。そのおかげで、ミズシがここだと告げた頃には、セツの唇からはおびただしい量の血が流れていた。
「痛いのは分かるけど、傷増やしてどうするの」
 最早口を開くのも億劫になってきた為、睨みながらも渋々頷くと、茶色の髪をした敵の青年は、また礼の意味ありげないやらしい表情で笑う。
 くそったれ。心中で毒づき、セツは少々緊張した表情で周囲を見渡す。カレーズの隅から隅。砂の一粒ずつを確認するかのように目を皿のようにするあからさまな警戒を見たミズシは、今度は意味ありげなものではなく、大きく吹き出して笑う。
「そんなに警戒しなくても!」
 するに決まっているだろう! 口に出さずに睨むと、ハクマは来ないよ。と告げる。
 その言葉に安堵し、ほっと目尻を下げると、そのあからさますぎる態度が堪えきれないとばかりに、更に盛大に吹き出した。
「そんなにハクマが怖い?」
「怖いとかじゃない。……本当に」
 嘘だと言わんばかりの茶色の目を睨み、セツは今まで頑なに閉じていた口を開いた。
「確かにあいつは強い。全く怖くないかと問われれば嘘になる。でも、それ以上にあいつを見るとたまらない程の不快感と、殺意が湧く。憎しみとか、怒りとか、そんなんじゃない。ただ、その存在が許せないんだ。……正直、他人をここまで消したいと思ったことは未だかつて無い」
 初めてハクマを見たときに感じた妙な違和感。
 それは時が経つにつれ、顔を合わせるにつれ、雪玉が坂を転がって大きくなるのと同じように肥大化していった。
 それが何故か、セツには分からない。けれど、最初に彼女がハクマに違和感を覚えたのは、その名前であった。
「あの名前は誰が付けた? あれは、私が初めて貰った名だ」
 ハクマ
 薄暗い研究室で、生みの親である老人は彼女に聞き慣れない言葉を投げかけた。
 その意図が分からず、黙って老人を見つめていると、彼は節くれ立った指をそっと伸ばし、鎖で繋がれている自分の頬に優しく触れ、耳元でこう囁いた。
 ーー君の、名前だ。
 所詮仇となった者が付けた名だ。今更欲しいとも、返してくれとも思わない。けれど、気にくわなかった。自分の初めての名を奪われたような気がして、気にくわなかったのだ。
「やあ、良く来たね」
 張りつめた空気が流れる中で、老人特有のややひび割れた声がした。
 他に人がいることに気が付かなかったセツは、やや緊迫した表情で動かない右手を庇いながらカレーズの奥、声がした方を見る。
 視線の先にはサイ特有の白いローブを纏った人物。セツよりも小さい体躯のその人物は、特に警戒する様子もなく、ゆっくりとした足取りで彼女たちの元へと歩み寄ってくる。背後でミズシが軽く頭を垂れる気配を感じながら、セツは食い入るように近づいてくる人物を見つめる。
 距離が近くなっても、その体のほとんどはローブと仮面によって隠されている為、見える情報はそう変わらない。だが、セツの体はその人物が何物かを理解し、そして気が付けば、彼女は片膝を付いて頭を垂れていた。
 ーー何だ、これは?
「ミズシ、席を外してくれないかい?」
「えー、でも」
「大丈夫。この子は私を襲わない。約束は必ず守るさ」
「まー、あんたがそう言うんなら、別に良いけど。でもさ、本当に気を付けてよ。あんたに何かあったらハクマが怖いからさ」
 どうしてこんなことをしているのだろう。自問自答する内に、サイの二人は勝手に話を進め、ミズシは足早に水辺へと去っていく。
「さて」
 その声に顔を上げる。
 相変わらず、仮面でその顔を窺うことは出来ない。にも関わらず、セツの警戒は糸を解くように、するすると解けていった。
 ーー何だ、これは。
 もう一度、問う。
 どうして自分は頭を垂れているのか。どうして膝を付いているのか。どうして、使命感にも似た服従心を抱いてしまうのか。けれど、どれだけ自問しようとも答えは出ない。唯一分かるのは、この人物は自分の欠けた記憶と深く関係しているということだけであった。
「ボルヴィン……」
「名を覚えていたのだね。ああ、楽にしてくれて構わない。さて、何から話そうか」
「……隠された真実」
 それと貴方の正体。
 そう言おうとして口を閉ざす。よけいな詮索はしない方がいい。消えたタシャならばそう言うような気がしたからだ。
「分かった。君はそれを聞くためにここに来たのだからね。だが、話す上で私からも一つお願い……いや、提案をさせてはくれないかい?」
「どうぞ」
 彼が話すごとに、体の内側で懐かしい感覚が渦を巻いて広がる。閉ざされていた扉が、一つ一つ開いていくような、嬉しくももの悲しい感覚に、意識が時折遠退く。
 これではいかんと奥歯を噛みしめて再度ボルヴィンを見据えると、彼は想像だにしなかった言葉を口にし、折角鮮明になったセツの意識を再び遠退かせた。
「私の元へ、サイへ来ないかい?」


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