62
 砂の使者を走らせること小一時間。
 五人のシキを筆頭とするササの軍勢は、決戦場所である五つの辻のある一枚岩に到着していた。
 そこから五つの部隊に別れた彼らは、頑張れよ。と励ましの言葉を掛けながら足早に目的地へと散っていく。それはシキである五人も同じで、彼らもまた、後でと、まるで散歩にでも行くかのように軽い言葉を掛けて去っていく。
 高台へと立ち、まだ見えぬ敵軍を待つウリハリは、そっと胸を押さえて空を仰ぐ。
 ササを支える者であり、心を閉ざした彼女は、今まで表情らしい表情を浮かべたことがない。けれど、今この時の彼女は、その顔に焦燥にも似た表情を浮かべていた。
「心配か?」
 突如聞こえてきた声に、自分を守るように両の手を組み、ワンピースの裾をはためかせながら振り返る。そこには、赤い目をした自分たちの長、ココーがいた。
 能力の特性上、他人を巻き込むことが多い彼は、シキの中で唯一ササの民と組まずにいた。それ故、自由が利く彼は自分の持ち場を離れてウリハリの元まで来ていたのであった。
「この国に引きこもってから、戦争を経験して無いのだろう? セツと同じだな」
「そんなことはありません」
 反射的に言い返し、自分が少しムキになっていることに気付いた彼女は、少しばつが悪そうに目を伏せる。
 自分は、ツミナを殺され、そしてその現況であるセツが死んでから、感情を失ったと考えて生きてきた。何も考えず、感じずに生きている方が楽だと思ったからだ。
 しかし、今になって彼女の心には大きな変化が生まれ始めていた。
「セツが嫌いか?」
「……本音では憎んでいます。しかし、一方で……」
 勝手に動き出した口に、はっとしてココーを見る。案の定、彼の目は鈍く光っており、能力を発動していた。
 無神経にも程があるその行為に、怒りを通り越して呆れる。が、どう言ったところで、この間違った意味の天上天下唯我独尊を貫くこの男に何を言っても無駄だと諦め、彼女は肩を落として本音を語る。
「ええ。憎んでいます。幾ら心を失ったと思っても、あの人を許すことは出来ません。勿論、最愛の彼を殺したことの憎悪が大きいのですが、彼は、ツミナは私に何か重要な事を伝えようとしていた。それを聞けなかったのが、心残りなのです」
『良い知らせがあるんだ。次の作戦が終われば話すから、待っててくれな』
 元々細い目を細めてそう告げた彼は、その良い知らせを伝えること無く、翌日に物言わぬ躯と化した。仲間であるセツの手によって。
 血の気の失せた恋人の顔を思い出すと共に、ウリハリの手が堅く握られる。
 幾ら心を失ったと言い聞かせても、一度心に深く根付いた恨みの芽を摘みきることは叶わなかった。
「ココーさん」
「何だ?」
「ここまで砂の使者を使用して小一時間。そして敵の軍勢はまだ見えません。徒歩で敵の駐屯地まで行こうと思えば、三日は確実にかかるはずです」
「何が言いたい?」
 ここでウリハリは一旦目を閉じる。
 脳裏に浮かぶのは、疲れたような笑みを浮かべながら「おやすみ」と言ったセツの顔。しかし、その隣にはもう一つの人影があった。
 それは夥しい量の返り血を浴び、片手で息絶えたかつての恋人ーーツミナを持っている、セツの姿。
 二人のセツを思い描きながら、ウリハリは目に強く力を入れ、そしてそっとその目を開く。
「セツさんは、どのようにして敵兵のところまで行ったんでしょう? おかしいと、思いませんか?」
「……」
「それに、これは勘ですが、あの人は私たちに秘密にしていることが多すぎます。果たして、セツさんを一人ササに残して良いのでしょうか?」
 ココーが口を開こうとした矢先、ウリハリは風の変化を感じて遠く地平線の彼方を見やる。
 目の前に広がるは、地平線を望むことが出来る広大な砂漠。だが、彼女の目は、その奥で動く者を見つけていた。
 それはゆっくりだが、着実にこちらに向かって近づいている。
「ならば何だ。お前はここを俺に任せてササに戻るとでも言うのか?」
「いいえ。それはしません。私はササの民を守る義務があります。彼らを置いていくことは出来ません。出来ることはたった一つ。一刻も早く事を済ませることです」
 直後、ウリハリの体が薄紫の光に包まれる。その光はウリハリの全身を覆い、それだけでは飽きたらず、彼女を中心として目も開けられないような眩い光を放つ。
 ササの民が食い入るようにしてその光景を見つめる中、太陽よりも明るく周囲を照らした光の中心には、薄紫の羽を広げた巨大な孔雀の姿があった。
 孔雀を目にしたササの民が頭を垂れる中、ココーは孔雀の紫水晶と同じ色の目を見つめ、そっと呟く。
「同感だな。俺もそう思う。……嫌な予感がするからな」
 珍しく険しい表情を浮かべた彼は、その赤い目を不快そうに細めた後、持ち場まで送ってくれないか? と、空気の読めない頼みごとをした。

 ・

 目を閉じ、一番頼りがちである視覚を閉ざすことにより、精神を研ぎ澄ます。
 彼女。ケミは戦いの前の静けさを好んでいた。嵐の前の静けさにも良く似たこの感覚は、これから起こる戦いへの想像を掻き立ててくれる。
 交わされる雄叫び、体の芯に響くような衝撃、死と隣り合わせの攻防。命を賭して行われる戦いは、数千年と気が遠くなる程の年月を生きてきたケミに、自分は今生きている。と感じさせてくれる重要なイベントであった。
 砂を踏みしめる音、鎧がこすれる音が把握できるようになった頃、ケミはそれまで閉じていた目をゆっくりと開き、その紅色の目に迫り来る軍勢の姿をおさめた。
 途端、彼女の体はぶるると小刻みに揺れ、呼吸が僅かに荒くなる。そして露出の少ない衣服の下には、無数の鳥肌が立っていた。
 彼女は深く、長く息を吐いた後、軽く数回飛び上がって足首をほぐすと、その紅色の目を輝かせて敵軍へと走り出す。しなやかに、そして風のように俊敏な動きで、彼女は砂煙に身を隠しながら唇を舐める。
「て……」
 砂の奥から何かが物凄い速度で近づいてきていることに気付いた一人の兵士が、仲間に何か知らせようと言葉を発す。
 が、単語を形成するよりも早く、彼の下顎はその何かに砕かれ、一つの音を発しただけで音声は途絶えてしまった。
「て、敵だ!!」
 顔面から血を吹き出し、そのまま息絶えた兵士の死体が、周囲の兵士をなぎ倒しながら吹き飛んだとき、ようやく状況を把握した者が上擦った声で強襲を知らせる。
 しかし、その声に反応した者が剣を抜くより早く、その何かはものの数秒で十数人の首の骨を砕き、犠牲者の数を増やしてしまう。
 恐怖を感じる間もなく、死を迎え入れるそれは、屍となり折り重なるようにして地に伏す兵士の真ん中で、妖絶な笑みを浮かべて立っていた。
 肩までの赤褐色の髪をバンダナで押さえているそれは、垂れ目が特徴的な女性の姿をしている。が、その足下には無数の屍。明らかにただの女ではない。
 言葉を失う兵士の前で、彼女は僅かに身震いをして顔を上げる。その顔には、状況には決してそぐわない妖絶な笑みが浮かんでいた。
「い、行け! こいつは敵だ。殺せ!!」
 騒ぎを聞きつけ、慌てた様子で後軍から追いついた上官であろう男が命じ、蜘蛛の子を散らすように隊列が乱れていた兵士達は武器を手に彼女、ケミへと構える。
 が、彼女へ切りつけるよりも早く紅色の閃光が周囲の兵士をなぎ払い、淡い茶色の砂地は、見る見る間に兵士の血で赤く汚れていく。
 大剣を手にした屈強な体躯の兵士が、仲間の骨で刺し殺された時、既に残された兵士達に士気は残っていなかった。
 無理もない、日中の寒暖の差が激しい砂漠を、満足な休みも無く歩かされているのだ。彼らの体力は、既に尽きている。
 あまりに無謀で、愚かなこの行軍の有様を目にし、久しぶりの戦いに興奮していたケミの熱が下がる。戦闘狂と思われる彼女だが、あくまで生きるための戦い、強者との戦いを愛しているのであり、このような蟻の子を潰す戦いは好んでいない。それどころか、命を無駄にするような行為は軽蔑に値する。
 彼女は疲れたようにため息を吐くと、血で塗れた手を頭のバンダナで拭き、大声で敵に告げる。
「戦う意志のある奴だけかかって来な! 少しでも生に未練のある者、戦う気のない者はさっさと失せろ。私は強い奴以外に興味はない!」
 まあ、砂漠の環境でいずれ死ぬだろうけれど。
 心中でそっと呟いた後、ケミは彼らの動向を見守る。
 が、彼らはざわめくだけで動こうとしない。無理もない。強襲の上、有無をいわさず自軍を血祭りに上げた奴が、数分後には逃げたいのなら逃がしてやるという、全く正反対の言葉を放ってきたのだから。
「ケミ様、一体何を!?」
 追いついたササの民が驚愕の声を上げるも、彼女は文句あるのかと睨みつけるだけで、発言の撤回をしない。
 みすみす敵兵を逃すなど、侵攻されている彼らからすれば言語道断であるが、相手は神に等しい存在であるウリハリの仲間である。そのような恐れ多い存在に口答え出来るわけもなく、彼らはぐっと口を閉ざす。
 中々動こうとしない敵兵を前に、早く散れ。と野次を飛ばすケミであったが、不意に敵軍の後方から獣のようなうなり声、そしてそれに混じる断末魔を耳にし、面倒くさそうに歪ませていた表情を引き締める。
 そうこうする内に、益々悲鳴の数は増え、混乱は大きくなっていく。後ろに控えたササの民が生唾を飲む音を聞きながら、彼女はふと足下に転がっている透明の瓶と、その中に入っている小さな錠剤に目を止めた。
 ーーパライソ……。
 その小さな錠剤は、マニャーナ国に潜入していた頃、いけ好かない兵士達に事あるごとにすすめられた興奮剤であった。
「これは一体……!?」
「説明するのも面倒くさい。……ちっ、セツの言っていた事は本当だったって事か」
 明らかに苛立った調子で毒づき、手に持った瓶を握りつぶす。
 直後、彼女の後方で倒れていた兵士が音もなく立ち上がり、明らかに腕の関節が抜けている状態で襲いかかる。後方のササの弓兵による狙撃でその兵士の攻撃はケミには届かなかった。しかし、助かったにも関わらず、ケミの表情は険しく、ササの民も歓声でわき返ることはなかった。
 無理もない。彼女達の前には瀕死の重傷を負った筈の兵士が魔物化して蘇り、かつての仲間達を襲う、壮絶な光景が繰り広げられていたのだから。
「あの薬の常用者は魔物化しやすいって言っていたっけ。はー、鬱陶しい」
「ケミさ……」
 グローブをはめた指を噛み、忌々しげに呟く彼女へと、こちらに活きの良い獲物がいることに気付いた魔物は、涎を垂らしながら彼女へと飛びかかる。
「鬱陶しいんだよ! この薬物中毒が!」
 が、その牙が届くよりも早く、岩をも砕く拳が魔物化した兵士の頭部に叩き込まれる。ゴシャ。と、頭蓋骨がめり込む嫌な音を立て、魔物の体は砂に叩きつけられ、地面に落ちても尚その勢いは止まらず、既に混戦地と化しているマニャーナ国の陣まで飛ばされる。
 グローブに付着した体液を払った彼女は、怒りに燃える目で次々に魔物化する兵士達を睨む。ケミは人を嫌っている。特に意志が弱い者、流されやすい者は特に。
 この兵士達はおそらく勧められるがままにパライソに手を染め、そのままずるずると依存してこのような有様になったのだろう。
 今彼女の目の前には、魔物、人間、意志の弱いもの。嫌いな要素が三拍子揃った吐き気を催すような人材がうじゃうじゃいる。そのおかげで見事に怒髪、天を衝いていた。
 味方であるササの民も尻込みしてしまう程の怒りを露わにしたケミの体を、見る見る内に紅色の光が包み込む。
 ここで、彼女が変態しようとしていることに気付いたササの民は、彼女の集中を邪魔させてなるものかと、迫りつつある魔物達に立ち向かう。
 しかし、彼女はそれを「危ないから下がっていて」と制す。そして、その後に思い出したかのようにああ。と漏らすと、怪しく光る紅色の目を彼らに向け、
「私の姿、他言したらぶっ殺すよ」
 それはそれは良い笑顔で脅すと、力を全て解放した。

 ・

 早朝に帰ってから泥のように眠っていたセツは突如響いた地鳴りに目を覚ました。
 いつものように伸びをして間接を伸ばし、窓際に寄ってカーテンを開けようとする。が、開けたところで見える景色は同じだと気付き、伸ばしかけた手を下ろす。
 仲間達が戦っている中、自分がこうして安全なササの町で寝癖を立てているというのは何とも我慢しがたいが、残念ながら今の自分に出来ることは無い。
 仕方ないので寝るかと布団に入り、うとうととまどろむ。
 こんな時に眠るのはどうかと思うが、それ以外にする事もない。その上連夜体を動かしていたため、疲れが残っている。
 我ながら図太いなと、どこか他人事のように眠りにつく。久しぶりの布団は優しくセツの体を受け止め、その心地よさも相まってセツは直ぐに静かな寝息を立てて夢の世界へと誘われた。
 その数分後、キシ、キシと足音をなるべく殺しながら近づいてくる一つの存在があった。
 それは慎重に年季の入って足音の立ちやすい階段を上り、ゆっくりとだが着実に近づいてくる。やがてセツの部屋の前にたどり着いたそれは、扉に耳を当てて中の様子を窺う。
 そして静かな寝息が連続していることを確認したそれは、そっとドアノブに手を当て、
「何か用?」
 捻ろうとした途端、間延びした声をかけられたそれは、文字通り飛び上がるようにして驚き、そして何かそれまで耳を当てていた扉に背を預けて声の主を見る。
「そんなに驚かなくてもさー。別に取って食おうなんて考えちゃいないよ」
 視線の先にはいつの間に現れたのか、廊下の壁に背を当てて朗らかな笑みを浮かべているドーヨーの姿があった。
 尚も言葉を発さないそれーーせいぜい十三そこそこであろう少年に微笑みかけ、彼は壁から背を離す。徐々に回復してきたドーヨーは今や松葉杖を使用すれば、日常生活を問題なくこなせるほどになっていた。
「……ご飯」
「ああ、新人ちゃんの? でもあの子今寝ているからねー。後にしてやってくんない?」
「……冷める」
 少年は薄い紫の目をドーヨーに合わすことなく、ぽつりぽつりと言葉を漏らす。その態度、言葉の節々に自分に対する警戒心が含まれており、彼は参ったなと苦笑を漏らす。
 しかし、閉鎖的なササの民からすれば、多種族の自分たちは異質な存在に違いない。まあ、仕方ないかと心中で呟き、ドーヨーは分かったよ。と少年の申し出を受け入れる。
「ん。じゃあ、俺があの子を起こすから、君は先に行って準備してくれない?」
「分かった」
「あ、それと」
 すぐさま回れ右をしてその場から去る少年の背に、ドーヨーは何でもないように話しかける。
「下に降りる時にはその物騒なの仕舞っといてねー」
 その言葉に少年は目を見開き、壁側に当てた手に持たれていたナイフを体の後ろに隠す。
 だが、彼はまるで少年がパチンコを持って来たかのように簡単に茶化し、じゃーねと軽く手を振ってセツの部屋へと入って行く。
「新人ちゃん、早く堆肥散布しないと! ダイナリさん帰ってくるよ!」
「ぅ……? えええ、親方!? 殺される!」
「やだなー。四分の三殺しだよー」
 慌ててベッドから飛び起き、勢い余って隣の台に額を打ち付けるセツを見ながら、ドーヨーは愉快そうに笑う。
 まだ寝ぼけているのか、すみませんと謝り倒した彼女は服を脱ぎ散らかして雄叫びを上げながら着替え始める。
 まあなんと、こんな色気もくそもない着替えがあるだろうかとその姿を眺めながら、ドーヨーはふうと一息吐き、
「一難去ってまた一難、か」
 彼の脳裏に描かれているのは先ほどの少年の目。
 あれは、覚悟を決めた者の目であった。
「何か言いましたか!?」
「えー? あー、新人ちゃん、それなりに女らしい体しているなって
思ってさ。普段男みたいだからびっくり」
 そこでようやく目が覚めたセツの絶叫を満面の笑みで受け、彼は表情を崩さぬまま、面倒なことになりそうだ。と、人知れず呟いた。

 ・

 轟く地響きを受け、周囲の岸壁が震える。
 ケミの隣の辻を任されたクロハエは空を見て、あーあ。と呟いた。
 彼の任されたこの辻は、両脇を高い岩に囲まれた峡谷となっている。見上げても頂点を見ることが出来ないこの高い壁は、地響きを受けて亀裂を走らせていた。
「クロハエ様……」
「うん、これは不味いね。地図渡したはずなのに、ケミ、そのことすっかり忘れる位怒って、蛇になったみたいだ」
「……蛇?」
「ケミの変態、ええと、一型。ウリハリが孔雀になるのと同じ現象。あ、俺が君たちに正体ばらしたのは内緒ね。ケミ、自分の姿知られるの嫌いだから」
 格好良いのにね。勿体なそうに呟いた後、彼はよし。と手を打つと、ササの民に撤退を命じた。
 戦いが始まってもいない状況での撤退命令。あまりに突拍子もない命令だが、ササの民は素直にその命に従い、足早にその場を去り、峡谷から退散する。
 そうこうする内に、峡谷の反対側から無数の人影が現れた。状況からするに、マニャーナ国の兵士で間違いないだろうが、その兵士の大半は人の形を留めていなかった。
 そこでケミが作戦よりも早く変態した理由が分かった彼は、なるほどね。と苦笑混じりに呟き、頬を掻く。
 クロハエの姿が見えたのか、はたまた臭いをかぎ取ったのか、兵士だった魔物は雄叫びを上げながらこちらへと走り出す。と、同時にクロハエの体を橙色の眩い光が包み込む。
 上で述べたとおり、彼がいるのは岩壁に囲まれた峡谷、そしてその岩肌には、ケミによる地響きの影響で、秒単位で大きな亀裂が走っている。
 そのような状況で戦えば、岩壁の崩落により双方に多大なる被害を生んで仕舞う。しかし、今、ササの民は安全な峡谷の外に出ていた。
「効率よく戦うには、地の利を生かさないとね」
 そして光が止んだとき、彼がそれまで立っていた場所には、橙の豊かなたてがみが美しい、一頭の巨大な獅子が佇んでいた。


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