甘い…か?(inbk) | ナノ


残夏×渡狸
※r15くらい


引っ掻き傷が、ひとつ、ふたつ、みっつ。照明の届かない部屋の隅の、細い傷痕を数えている。自分の上で腰を振る男が、見えないように。

「いあ、っ…」「うわ、ぐちゃぐちゃだ」「可愛いね〜」帰らない自分を、皆心配してるだろう。今日のご飯は何だったのかな。「ひうっ、も、やめ」「何?聞こねーよ」「意地悪だなあ」カルタ、俺の分まで食ってそうだな。食ってるだろうな。「ア、」「イきやがったこいつ!」「才能あったんじゃね?」あーあ、なんで、コンビニなんか行ったんだろ。ぎゃはははは、うるさい、うるさい。内が酷く熱い。どろりと零れてくる。汚い。おれは、きたない。

「汚なくないよお」

がつん、がつん、がつん。固いもの同士がぶつかる音。どさりと上に乗っかってた奴が倒れ込んでくる。中にまだ入ってるから、苦しいんだけど。「ふあ」「あらら。ラスカル、随分調教されたねぇ」長い足だ。爪先が男の頭を蹴り飛ばす。ごきり、と嫌な音がしても、男は呻き声一つ漏らさないのだから、不思議だ。そんなことより、やっと中から異物が無くなった方に安堵していた。
「帰ろう」帰る。帰る、どこに?こんなに汚いおれが、どこに。「大丈夫、目が覚めたらぜぇんぶ元通りだからね」なんだ、汚なくなかった頃に戻れるのか。なら良いや。とろとろと意識がとろけてくのが分かる。ああ、おれ、凄く疲れてたんだなぁ。「お休み」うん。「いとしいこ」


シュガーシュガーラブ



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