触らぬ神に祟り無し(pkmn) | ナノ


幼少マツバ×幼少ミナキ


忌み嫌って突き放すならば、そッとしておけば良いものを。


「ミナキくん」

は、と顔を上げたミナキくんの顔は涙でぐしゃぐしゃで、悲しくなる。いつもきちんと整えられた髪は砂まみれ、品の良いシャツのボタンは、幾つか弾け飛んでいた。

「マツ、バ、おれ、おれ…!おまえと、いちゃ、だめなのか」

ああ、また。また言われたのか。(マツバは化け物だ、ならばつるんでるお前も、化け物だ、気持ちの悪い、余所者め)まだこの場にはうす汚い彼らの怨嗟が残ってる。忌々しい、ミナキくんが汚れる。

「いやだよ、はなれないで。そばにいてよ、ミナキくん」

抱き締めて、袂からさりげなく浄化の石を放る。かちん、かちんと砂利に当たる音は、ミナキくんの嗚咽に掻き消される。宥めるように背中を撫でながら、マツバは目を閉じる。次に開いたとき、その目はもう、神の域だ。

(ゆるさない、ゆるすな。エンジュの地を汚す悪意を、ミナキくんを傷つけたものを)

呼応するように木々が哭く。ばさばさとナニカが林から飛び出していくのを見届けて、マツバは再び目を閉じる。

「ミナキくん、だいすき」
「うんっ、うん…っ」


忌み嫌って突き放すならば、そッとしておけば良いものを。触れてはならないものに触れるから、罰が当たるのも当然なのだ。


打ち付けた傷跡が唸る


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