箱庭 6 | ナノ


この時期にしては珍しい、太陽が一日中顔を出している日だった。

気分転換にと忌々しいオートボットの基地の周りをなんの気なしに飛んでいると、木々の隙間から、なんと、メガトロン様の姿が見えたではないか!自分とショックウェーブ(小憎らしいことに!)の取り仕切るディセプティコンは、どこか陰鬱な空気がはびこって、メガトロン様がいた時とは比べるべくもない。

喜びの余り、接触を試みた。本当に嬉しかった。生きていらっしゃったなんて。だが悲しいかな、メガトロン様は何もかもを忘れていた。ディセプティコンのことも、あれ程執着したサイバトロン星のことも。
明らかに怯えた目をして逃げていくメガトロン様の背を、追い掛けることは出来なかった。ブレインが認識することを恐れていたのかもしれない。


次の日、やってきたメガトロン様は、あっさりと警戒心を解いた。過去を話すついでに、いくつか質問したところ、メガトロン様は、あの基地の一室に、プライムと(馬鹿な!)住んでいるらしい。敵陣の真っ只中にいながら、殺されていなかったことも驚きだが、必ず一枚噛んでいると睨んでいたオートボットが、本当に関わっていたとは。

それにしたって、暴力をふるうこともなく、ただ相槌を打つ穏やかなメガトロン様は、破壊大帝の名など影も形もない。
どうして爪を抜かれてしまったのですか。突然姿を消したあの日に一体何があったのです。


あの日、オートボットとの協定の話し合いに出掛けると、出ていったあの日に!


暗影



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