ある日の恒例となった外出の時間。思わぬ遭遇があった。 「貴様…誰だ?」 木々の隙間から、隠れようもない巨体が覗いている。見慣れない機体だ、オプティマスの部下か誰かだろうか。全身に入った刺青は派手なことこの上ない。 「ああ、閣下…!本当に忘れておいでなのですね…」 よろよろと近付いてくる機体に、思わず後退る。怖い、もし敵だったらどうすれば。やはり外なんて出るのではなかった。 「メガトロン様、」 「!」 恐怖が勝って、気付いたときには駆け出していた。 (怖い、怖い。)オプティマスに会いたかった。あの部屋に帰らなければならない。一刻も早く。 彼は追って来なかった。 転がるように部屋に入った途端、力が抜けて座り込む。熱の籠もるブレインサーキットを冷やすと、段々と思考が落ち着いてきた。 後ろから悲鳴のように紡がれる音は、自分の名前だった。それに彼は、自分と同じ目の色をしてはいなかったか? もしオプティマスの知り合いなら、悪いことをしてしまった。 彼は明日もいるだろうか。会えたなら、謝らなければならない。 余韻 |