箱庭 4 | ナノ

ある日の恒例となった外出の時間。思わぬ遭遇があった。


「貴様…誰だ?」

木々の隙間から、隠れようもない巨体が覗いている。見慣れない機体だ、オプティマスの部下か誰かだろうか。全身に入った刺青は派手なことこの上ない。

「ああ、閣下…!本当に忘れておいでなのですね…」

よろよろと近付いてくる機体に、思わず後退る。怖い、もし敵だったらどうすれば。やはり外なんて出るのではなかった。

「メガトロン様、」
「!」

恐怖が勝って、気付いたときには駆け出していた。
(怖い、怖い。)オプティマスに会いたかった。あの部屋に帰らなければならない。一刻も早く。
彼は追って来なかった。



転がるように部屋に入った途端、力が抜けて座り込む。熱の籠もるブレインサーキットを冷やすと、段々と思考が落ち着いてきた。

後ろから悲鳴のように紡がれる音は、自分の名前だった。それに彼は、自分と同じ目の色をしてはいなかったか?
もしオプティマスの知り合いなら、悪いことをしてしまった。
彼は明日もいるだろうか。会えたなら、謝らなければならない。


余韻



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