箱庭 3 | ナノ

自分よりも背丈の高い木々に驚く。地面はあの部屋の床より遥かにふかふかして、柔らかい。何処からか囀りが聞こえる。ガラス越しでない太陽はこんなに暖かいのだ。…外は、広い。あの部屋よりも遥かに。


「機嫌が良さそうだな。何かあったのか?」

一通り食事を終え、寛ぐオプティマスが不思議そうに首を傾げる。態度に出る程儂は浮かれているのだろうか、少し恥ずかしい。
是非とも今日の風景を、オプティマスに伝えたかったが、ラチェットには何故か秘密にするようにきつく言われていたのを思い出して、咄嗟に首を振る。

「…いや、今日は何だか調子が良いんだ」

それは良かった、と自分のように喜ぶオプティマスに、ちくりとスパークが痛んだ。


隠蔽



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