最近気になってる奴がいる。 悪い意味で。 名前は狩屋マサキという転入生の一年生でポジションは同じDF。第一印象は大人しそうで良さそうな奴だったが実際はめちゃくちゃ嫌な奴だった。和解してからは少しはマシになったけれど、それでも嫌味を言ってきたり突っかかってきたりするので困っている。いくら部活仲間とは言え、神童に他の男と二人でいるところを見られたくない。 俺は神童が好きなんだ。神童に愛されたいんだ。神童しかいらないんだ。だから変な誤解はされたくない。関係ない奴は出来るだけ近づかないで欲しい。 揺るがさないでくれアイツの心を。 −俺は神童に捨てられたら 最近気になってる奴がいる。 良い意味で気になってる奴が。 名前は狩屋マサキという転入してきた一年生。普通にサッカーが上手いし素早い動きが特徴の良い選手だ。性格は難有りだが。 今日も狩屋は霧野に絡んでる。 嗚呼、霧野が焦っている。俺に誤解されぬよう、狩屋から離れようとしている。それに気付いた狩屋が霧野の腰に手を回し引っ付いた。そして、霧野の顔を強引にこちらに向けた。 霧野と目が合った。 霧野が泣きそうな顔をしている。 霧野が!霧野が!霧野が! 霧野が絶望した顔を俺に向けている!! それでも尚、俺を見ている!! 霧野は俺を求めている!! アイツには俺が必要なんだ!! 嬉しくて体が震える。 歪んだ表情を晒したくないので顔を伏せて手にしてたバインダーを見る。 なぁ霧野おまえは今どんな顔をしている? どんな気持ちでいる? 好きでもない男に抱きつかれてるところを好きな人間に見られてるんだ。 堪らないだろ? 俺はこうゾクゾクする瞬間が堪らなく好きだ。 もっと俺を楽しませてくれよ。 霧野、おまえなら出来るだろ? さぁ皆で仲良く遊びましょ? |