おまえと何度目かのクリスマスを
「……やっと寝たか」
声を潜めて呟いて、隣で眠る彼女の髪を撫でる。
昼間、あれだけ張り切ってケーキとか焼いて、生クリーム塗るのとかオレの方が上手くてむくれて、それだけでも充分疲れてる癖に。なかなか寝てくれなくてオレの方が折れそうだった。
いくら彼女の体温が高めだからって真冬に裸じゃいくらオレも一緒に寝るって言っても風邪引く。
彼女を起こさないようにベッドの下に落ちているパジャマを拾い上げて着せる。途中寝返りを打ってきてすげえ間抜けに口開けるからちょっと笑った。
……ほんとなんだよ。オレの横で安心しきって、キスしてやろうか。
着せ終わったら自分も適当に羽織って、近くの棚から小さな箱を持ってベッドに戻る。
今年特にプレゼントとかないけどって言ったら、恋人はサンタクロースじゃないの!? とか訳分かんないこと言いながらムッとして拗ねてたから、ちょっと、いや、こいつにとってはかなりか、悪いことしたよな。
「プレゼント無いわけないだろ」
箱の中からネックレスを取り出して彼女の首に手を回すと、寝言でオレの名前を呼ぶからびっくりして落としそうになる。
無事に着けると彼女の白い鎖骨の上でピンクゴールドのハートが揺れた。
オレからのプレゼントとか、誕生日とかも腐る程あげてるから飽きてるかもしれないけど。
どうせ、朝大袈裟に喜びながらオレのこと起こしてくるのは想像つく。
彼女の丸い額に小さくキスをして。何事もなかったかのようにベッドに潜り込んだ。
メリークリスマス。風邪引くなよ。
2014/12/25
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