零れ落ちた
2013/03/19
「一人でする時ってどういう事考えてるの? 何か見てたりする?」
「…………おまえってとんでもない事普通に聞くよな」
「どうなの?」
言いたくなさそうにしているシン。だけど聞いてみたかったから、ここで引き下がる訳には行かない。
問い詰めるとシンが私の両肩を掴んできた。真顔の強い瞳にドキリと心臓が跳ねる。
「……おまえの事考えてるよ。だから、オレは何度も何度もおまえを汚してる」
「私の事……」
「何、聞いといて引いてるわけ? ……まあ、そうだよな。そんな風にしか見てないって思われても仕方ないよな」
「良かった。他の子見てたらどうしようって凄く不安だったの」
「っ…………バーカ」
間の空いたバカの後に抱き寄せられる。また埋まる距離に安心したのも一瞬の事だった。
「おまえってさ、いつもオレの想像とか、予想の範囲を飛び越えてくんの」
そっとお姫様抱っこされたかと思えばソファーに寝転ばされた。私を跨いで着かれた膝で少しソファーが沈む。
普段はまだまだ可愛いところがあるのに、覆い被さってくるシンの身体はやっぱり大きくて、途端にシンから感じる男性な面にきゅんとした。
「前、痛かっただろ。最初は痛いって知ってたから、そんなに求めたらつらいと思って我慢してた」
「そうなんだ。でも、シンは絶対ひどい事なんてしないよ。シンは優しいから」
そう囁けば、シンは困ったように笑って私の額にキスを落としてくる。
「そうやって信用されすぎるのも困る。いつも瀬戸際で乗り切ってんのに」
そうやって忠告しながらもシンが降らせるキスはどれもこれも優しくて、私の事大事にしてくれてるんだって感じるよ。
「シン、私とシたい?」
「シたいに決まってる。今だって頭沸騰しそうだよ」
シンはいつも思ったままを教えてくれる。私はさすがにこんなにはっきりは言えないけど、きっと負けないくらいシンの事想ってる。