4.外出

「外に出てくる……」

二人が話を始めると、それに興味の無いランは、鉢植えを定位置に置いて、それから地上への階段に繋がる木のドアを開けた。

それを見て、すぐにレンズが、あっ、私もと、気付いたようにヌーナの元を離れ、彼の後ろに続いていく。

「りゅうたんの鱗は、加工品になるから、高く売れるんだよね。落ちてないかなっ!」

ランは、付いてくんな、と不愉快そうにレンズを無言で威嚇する。レンズは慣れたもので、ランの結んでいるやや長めの髪を、かざした手から出る魔力で上下にふわふわ揺らして『しっぽ、しっぽ!』と、遊んでいる。


ヌーナは二人をちらっと見てから、黙って扉から見て正面の奥にある、本棚の方に向かって歩いていく。

 やがて赤い色の、ややカビが生えた、古い本を取りだした。背表紙には『大陸と呪いの魔女』と描いてある。表紙には、どこかにそびえているらしい、大陸の絵。

それは、レンズの出身地の大陸で、『毒の呪い』を、ヌーナにかけた魔女のいる大陸。
──そして、人食い植物の育っている大陸だった。

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