シンデレラにはなれない | ナノ



※社会人×社会人のパラレルです
※静雄に彼女がいる設定を含みます
※臨也が報われません
※ぴくしぶに上げてあるのと同じです
※以上を把握した上で大丈夫そうな方のみどうぞ












時間が溶けて無くなってしまえばいいと思っていた。

恋人ごっこの延長線上のようで、その先行きが短いことは知っていた。偶然飲み屋で出会った高校時代の級友だった彼となだれ込むように関係を持って、居心地が余りにも良かったからそのままだらだらと関係は続いて行ってしまった。

それぞれ互いに会社勤めで、もうある程度の社会的立場を築いていたから、昔のように暴れ回るような喧嘩をすることもない。学生の頃はどうしてか馬が合わず、それでも仲が良いほど喧嘩するよなと周囲から例えられてしまうくらいには、それなりに多くの時間を共有していた気がする。

出会ったそのとき、どちらも職場の飲み会で訪れていたはずのバーの小さなカウンターで、ふと気付くと閉店間際の店内には俺とシズちゃんのふたりを残してどうしてか人影が見当たらなかった。

お互いかなり酔っていたから、その時は「置いてかれてやんの」と指をさし合って笑ったりした。寂しいはずの困った状況に、似たような境遇の相手が一人いるだけで何だかなにをしてもおかしくて笑えたことをなんとなく覚えている。まるで学生のころにタイムスリップしたようなそんな錯覚に陥ってしまっていたのかも知れない。

翌日が休日だったこともあって、自然な流れでそのままシズちゃんのマンションに転がり込んだ。意外なことに、彼の住まいだとは信じ難いほどの立派な出で立ちの建物に案内されて、思わず嘘だと声を上げてしまったりもした。そして更にコンビニで買い足した酒を飲み続けながら、昔話に華を咲かせたわけである。

当時は若気の至りと言うべきか、本気で死ねばいいのにと思う位にその存在に苛立ちを覚えることもあったりした。それなのに今はこんな風に穏やかな空気を纏いながら、そんな話を思い出として懐かしみ酒の肴にできるだなんてことを、あの頃の自分たちに言聞かせてやってもきっと信じることはないだろう。

飽きることなく酒を煽り続け、家具の少ないリビングのソファで寛ぐうち、じゃれつきながらもつれ合ってすぐ近くに迫る顔にそのまま何の躊躇いもなくキスをした。酔っているからという言い訳染みた感情もあったし、したかったからそうしただけだ。口付けるためのタイミングや切欠なんて、きっとそのくらいでいいと俺は思っている。

もう一時間もすれば夜が明けるというのに、俺もシズちゃんもスーツが皺になることを気に留めることなく夢中で互いの唇を貪り合った。若干俺が押し倒したような体制になりながらも、腰元には彼の長い腕が巻き付いてしっかりとそこを掴んで抱き寄せる。だからどちらからしてもこれは無理矢理じゃない。そう思うと余計に、自ら仕掛けたキスをやめる気にはならなかった。

そのあとはもうなし崩しで、どちらがその行為をおかしいと思う事もないままぼやける頭でベットへと移動し、目覚めた時にはああやってしまった、ぽつりとそんなことを思っただけだった。後悔とかそういうものでもなく、酔っていた割に意識がはっきりしていたことにどちらかと言えば驚いたのだ。

優しく髪や輪郭を撫でる大きな掌が、熱で歪んでしまった思考の中でも酷く気持ちが良かったことがただただ忘れられない。臨也、臨也と。高校の頃とは込められるものが違うトーンの音が紡ぐ名前は、まるで俺のものじゃないみたいにその響きが甘ったるくて、思わずくらくら眩暈がした。

しばらくして目が覚めたシズちゃん一度辺りを見渡して、その後にゆっくりと俺を見つめた。一夜の過ちと解釈して謝られたりだとか、忘れてくれとでも言われることを想像したが、彼もまた俺と同じように「ああそうか」みたいな態度を垣間見せただけだった。

それを切欠に俺とシズちゃんは連絡先を交換し、いい友達という位置付けにも似た曖昧な関係を築いて行った。予定が合えば週末に二人で飲んだり、鍵を貰ってシズちゃんのマンションに行って飲んだり、雰囲気がそういうものを含めばキスやセックスだってしたりした。そしてその度に、彼の掌が俺の髪を優しく撫でては梳くことを繰り返すたび、どんどん知れずと深みに嵌って行ってしまっていたのだろう。

会うのは決まって夜だけだったけれど、それに何の不満を抱いたりすることもなかった。けれどふと違和感を感じたのは、愚かなことにシズちゃんと偶然再会して一か月ほどが経過したころだった。

俺が彼の予定を伺う時は大抵都合が悪い。彼からの連絡に俺が合わせるほうがすんなりと約束がつけられたから、やがて俺から誘いを持ち掛けることもなくなった。それが一か月経って、ああそうかとその事実に気付くころには何もかもがもう遅かった。始まった時点で全てが終わっていたような、そもそも始まりなどと呼べるようなものすら存在していなかった現実を、とても冷静に受け止めた事を覚えている。

シズちゃんには恋人がいた。いつから付き合っていたのかは知らない、俺と出会う前からそうだったのかも知れないしそうじゃなかったのかも知れない。

その事実を知ったとき、別に怒りを覚えたりしなかった。内側で渦巻く感情はきっと何かしらあったはずだけれど、それが口を切って出て来るようなこともなく、気付いたこともシズちゃんに問い質したりしないままでいた。きっと俺が気付いていることにシズちゃんだって気が付いている。だから言わなかったと言ってもいい。何も言い出さない限りはこの生ぬるい関係がなくなることはないのだろうと思ったから、だからそうしたまでだった。

ぬるま湯に浸っているような間柄だった。心地よくて、離れることができなくて、いつまでもそうしていたくて、もう優しくしてくれるなら何もかもどうでもいいとすら思えるくらい。シズちゃんに恋人がいても、俺が恋人の位置付けにいられなくても、彼に不満を口にすることもなくただ時間は流れて行った。

我慢をしているだとか偉そうなことを言いたいわけでもないが、恋人を優先するのは仕方のないことだと思っていたし、彼がそうしたいのならそうして欲しかった。だから、俺に会ってくれるときはきっと俺に会いたいと思ってそうしてくれているのだろうと、そう都合よく解釈するだけでほんのささやかな幸せを感じることができる。

騙し合いで塗り固められた俺の存在は、騙されるだけの生き物でなくてはならない。彼のことを好きになればなるほど、俺は騙されてあげるほかに選択肢もシズちゃんにしてあげられることもなかった。そうじゃなければこの心地よいぬるま湯には延々と浸っていられない。髪をやさしく撫でてくれる掌が束の間でいい、俺のものであるならそれだけで良かった。






「結婚することになった」


笑い合って、他愛もなくじゃれ合って、そう、学生の頃はできなかったことが不思議と歳を重ねることにより自然なものになって行った。素直になりきれなかったあのころ、俺が彼に対してどんな感情を抱いていたかなんてことは今では到底思い出す事なんてできやしない。

着崩した制服の代わりに、今では互いにかっちりとしたスーツを身に纏い仕事に励む日々だ。楽しくも無い雑務をこなして上司の嫌味の聞き役に徹し、それでもそんなつまらない毎日を何とか過ごして来れたのは、そういうゆるやかなひとときが訪れるからこそだったと思う。

シズちゃんの恋人は彼の上司の娘で、ほとんど頼み込まれるという形で付き合いがスタートしたらしい。何ともお人よしな彼らしいと思ったし、俺はその存在について干渉したりはしなかった。

けれど結婚するとシズちゃんが言い出したとき、その相手が彼女だろうということは直ぐにわかった。別に嫌味を言いたいわけじゃないが、きっと上司の娘という手前最初から断れない縁談だったのだろう。シズちゃんらしいなと、そう思って小さく口元から笑みが零れた。おめでとう、良かったね。短く告げてそれきり会話は途切れてしまう。

いつものように彼からの連絡でおち合い、部屋で飲もうかとコンビニで手早く買い物を済ませてシズちゃんのマンションに二人で向かった。部屋に着いてテレビを眺めつつ雑談を交わしながら少し飲むあいだ、どこか落ち着きのないシズちゃんの携帯は頻繁に鳴り続けていた。

悪いと告げてかちかちと携帯を操作し、手から離すとまた暫くしたのちに無機質な機械は小刻みにふるえる。聞いて確かめたわけじゃなくても、メールのやりとりの相手が誰かっていうことくらいはちゃんとわかっていた。

今までにこういうことはあまり無かった。恐らく彼女には今日は友人である俺と飲むから、とでも予め伝えていたのだろう。だからこうして時折訪れるマンションの部屋で、鉢合わせるだなんて俺一人だけが気まずい状況にだって遭わずに済んだ。そういったことに疎そうなシズちゃんにしては、中々上出来な対応だったと言えよう。

それ以前に俺とシズちゃんは傍から見ればただの男友達同士だろうから、実際そんなことが起ころうと大した問題にはならない筈だ。それでもシズちゃんが気を回しているところをみると、きっと後ろめたかったのだろうなぁと思う。何ら自然なことだ。全くそういった感情が存在しないのもそれはそれでどうかと思うから、俺もできるだけ何もかも知らないふりを貫いていた。

手にしていた缶ビールを飲み干して、机の上に空になったそれを落ち着けた。かん、という虚しい音が響いたのを切欠にスーツの上着を手に取ってリビングのそう大きくないソファから腰を上げる。


「帰るよ。ごちそうさま」


それだけ口にしながら上着を羽織り、持ってきた鞄を手にして玄関へ続く廊下を抜けた。何も答えなかったシズちゃんだったけれど、手にしていた携帯を放り出して慌てたように俺の後ろを追ってくる。建艦に辿り着き靴を履きながら、ちらりと見送ってくれるらしい背の高い影を見上げた。

集合住宅らしい手狭な玄関で、ポーチライトが照らす弱々しい光。この明るさに照らされる金色がすきだった。いつもは優しく淡いオレンジに染まるその色も、いっそ何もかもが今日は物悲しく見えてしまってならない。

いつも来るたびにエレベーターに乗り込んで言葉も交わさずに、シズちゃんの部屋があるこの階に辿り着く。やや足早にドアの前に向かい、彼が鍵を開けるのを俺は傍らでただじっと見つめて待つだけ。そして開いてくれたドアの向こうにお邪魔しますと呟いて足を踏み入れると、後から続いて玄関に入ったシズちゃんはドアを閉めるなり、必ず触れるだけのキスをくれた。

その瞬間からはふたりだけの時間で、与えられるそれがいつも合図のようなに感じていた。扉を境に、我慢していたんだよとでも言わんばかりに靴も脱がずに与えられる、キスは一度触れるだけ。一度も好きだなんて言われたことはなかったけれど、俺はたったそれだけのことに酷く幸せを感じていた。

最後にキスくらい強請ってやろうかと一瞬考えてやめた。そんなことしたら余計に恋しくなるのは目に見えていたし、今まで騙し続けてきた自分が全て無意味になってしまいそうで少し怖かった。


「これ、返すよ」


スーツの上着に手を突っ込んで、探り当てた銀色の鍵をシズちゃんの前に差し出す。沈んだままの彼の瞳の色がそれをじっと見つめ、やや長めの時間を置いて鍵はそっと静かに俺の手から引き抜かれて行く。するりと音も無く俺の手から滑り落ちて行く様子は、まるで魔法が解ける瞬間のようだった。


「じゃあね」


いつもと同じトーンで告げた言葉にもやっぱり返事は無い。オートロック式の玄関のドアノブに手を掛けようとしたところで、臨也、そう名前を呼ばれるがままに彼を振り返った。

上着もネクタイも纏っていないすらりとした長身のからだを眺めて、やっぱり肩幅が好みだなぁなんて場にそぐわないことを考えたりもする。これは決して余裕じゃなくて、俺はきっと最初から終わりを迎えるまでこうしなければならないようにできていた。そう、これは断じて我慢なんかじゃない。俺がそうしたくてそうしているだけの話だ。


「なに?」

「臨也」

「うん」

「ごめん」


謝罪の言葉は思ったより正直に胸を貫いてくれた。くれたよりしまったと言ってもいい。実際こういう場面を身を以てして味わうことによって、想像していたダメージよりも大きいものを食らってしまっただけだ。言い聞かせて、痛みを濁して、そうやって何もかもを曖昧にしてゆく。うやむやに掻き混ぜて来た俺の偽りと彼の偽りは、何を生み出すわけでも無い。たぶん何処までも偽りでしかないのだから。

謝るくらいなら最後に抱きしめてくれたっていいのになぁと呑気に思いつつ、口に出すわけもなく俺はまた笑った。そうやって俺が笑うたび、シズちゃんの表情はいつもほんの少し緩む。大丈夫だよの意味を含んだ笑みは、彼に少しばかりの安心をもたらすらしいといつからか気が付いて、それからはできるだけ笑って過ごすように努めていた。

あまり今日は安堵の色が滲んでいなかったけれど、それでも俺は笑ったままでじゃあねと、軽く告げて手を振り扉を開く。外とのつながりが生まれたそこで、シズちゃんが気に留めるほどではない一瞬の邂逅を、俺の思考はゆらりとさまよったに違いない。

ぐっとそれらの本能を飲み込んで部屋を出ると、歩き出す前にドアが背後でぱたりと閉まる音がした。と言うより、ドアに背を預けて凭れるような格好になってしまった自分の所為だと言ってもいい。ドアに背を押しつけたままでずるずると、勝手に足から力が抜けて地面にしゃがみ込んでしまう。

別に報われるかも知れないだなんて微塵も思っちゃいない。こうなる結末を含むことを承知の上で、俺は彼を好きでいることを止めずに惰性の関係を自ら望んで続けてきたのだ。

今日は会うなりシズちゃんの態度がよそよそしく、おかしいということはとっくに気が付いていた。エレベーターの沈黙もただ息苦しいばかりの空間でしかなくて、酒を煽った所でアルコールに酔える気が全くしない。ああなにかある、なにもないわけがない、そう言い聞かせていた嫌な予感はずばり的中し、彼は俺に何の前触れもなく告げた。結婚、することになった。

嫌な予感と言うのは間違った言い回しだ。そうだ、俺はこうなることをわかっていた。何度か頭の中でそんなシュミレーションを繰り返したことだってあったし、別に彼の気持ちが欲しいわけでも幸せになりたいわけでも何でもなかった。

ひととき、ふたりだけの時間が確かにそこに存在していて、共有する空間は俺たちふたりしか知り得ないもので、敢えて言うなら俺は何よりそれが欲しかった。だから会うたびにそれは確かに叶えられて、結果的に俺は幸福感すら同時に手に入れてしまっていたのだと気付く。何とも欲張りな話だった。できるだけ謙虚にスマートに、そうやって関係を続けてきた筈だったのに。

マンションに訪れた際いま背にしている扉が閉まったときに、今日はキスをされなかった。それが酷く寂しくて、どうしようもなかった事を思い出す。

夢を見ていた。とてもとてもと幸せな夢だった。俺がいて彼がいて、ふたりで一緒にいることができなければ見られないまるでまぼろしのような夢だった。テレビを眺めて笑いあい、酒に酔ってはじゃれあって、ベッドで優しく髪を撫でられながら眠りに落ちるそうまさに、夢だったのだ。

朝日が眩しいカーテンを閉め忘れたベッドの上で目覚め、背中から抱き竦められたままベッドサイドの腕時計を取り時間を確認しようとした右手を、後ろから伸びて来たシズちゃんの手がぱしりと掴んできたことがある。いーよ、何の意味を含んでいるのかわからない眠そうな声で彼はそう呟いて、握り締めた俺の手をそのままシーツの中へと引き戻してしまった。そのとき、わけがわからないくらい幸せだったことをどうしてか今この瞬間に思い出す。

ひとつを思うときりがなくて、ちいさくちいさく切り取られたささやかな幸せの滲む記憶が次々脳裏を過った。人のごった返す週末の駅の構内で、はぐれないように俺の指を軽く握ってくれたこと。終電を乗り過ごしてタクシーを探して深夜の街をうろつきながら、路地裏で交わした触れるだけのキス。

結婚することになった。その呪文を彼が唱えて魔法は解けた。だから終わったのだ。飲み込み続けた嘘と本音は、散々自分を騙し続けてきてそれでもドアが閉まるぎりぎりの最後までは何とか堪えてくれた。

肩が意図せずふるえて、息を吸い込んで深呼吸しようとしたらおかしな音が出そうになってしまって、慌てて掌を口元に押し付けてぐっと呼吸を止める。そうすれば身体の機能は全て停止してくれるだろうと思ったのに、どうしてか歪んだ視界からぼろぼろと涙が零れてスーツや床上にぽたぽと染みを作った。

堪えようとすればするほど、眉間に自然と皺が寄る。違う、まて、だめだ。言い聞かせようとすればするほどまるで効果はなくどうしても制御が効かない。意志も感覚も何もかも、身体中が壊れてしまったみたいだった。


「…………ふ、……っ」


騙し合っていたんじゃない、騙してきたのは俺と俺自身で、彼を好きだと何処かで気付くたびにそんな自分を騙し続けていた。結局今こうしてそれは呆気なく崩れ落ちてしまったわけだが、それでも彼の前では何とか堪えることができたのだ。だからこのまま、このままで早く俺はここから立ち上がってエレベーターに乗り込み、どこまでも俺の全てを堕落させてしまうこのマンションから出て行かなければならない。

ごめん。その意味がわかるようでわかりたくなかった。彼に罪を背負わせてしまったのは、他の誰でもない俺という例外で異質に違いない。出会わなければ彼がその言葉を呟くことはきっとなかった。俺がこんなふうにみっともなく泣き崩れることも。

はやく、はやくはやく。思うのに足も身体も指一本すら思うように動いてはくれない。唯一意志に反して涙だけが零れ続けて、それ以外の機能を失ってしまった俺は全くの役立たずだった。帰路につく足音がしなければシズちゃんが気付いてこのドアを開けてしまうかも知れない、そんなのはだめだ。何もかも全てが台無しになってしまう。

けれどやっぱり足は動かずまるで金縛りのような感覚に、今度こそ魔法が解けてしまったのだとわけのわからない絶望に駆られた。ガラスの靴は俺のものじゃない、夢は夢で覚め行くものだ。代わりに手にしていた鍵を手放し、俺とシズちゃんの間に存在していた何もかもは終わりを告げてしまったのだから。

吸い込む事も吐き出すこともままならない呼吸が苦しい。何も持たないこのてのひらが、我ながらひどく哀れに思えてならなかった。そう、だって魔法はついさっき、俺がこの手で彼に返してしまった。



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