ずっと隣で



「俺ってさ、幸せもんだよな。こうやって、お前の側に居られるんだからさ。」
はにかみながら笑ったあの顔が、私の脳裏によみがえる。
全く別の表情のはずなのに、その顔は何処か重なりあっていた。


銀の弾と刀のとびかう戦場の中、私は只人を斬っていく仲間を、人に斬られていく仲間を見つめていた。
この戦の中に彼もいるのだと考えると、今にも探しだしたくなる。
その間も戦は激化し、戦場はだんだん血の臭いと火薬の臭いで満たされていく。
吐き気から口を覆った時、物陰に隠れた私の目の前に、ゆらりとゆれて倒れこむ人影。
当然私の顔に、体に、生暖かい液体が飛び散り、全身を濡らす。
目の前のその光景に、頭が回らなくなってしまってきたその時だった。
「なまえ!」
叫んでいるのは、私の名。紛れもない、彼の声だった。
それを確認したのと、彼の背中が目の前に広がるのはほぼ同時。私に背をむけた彼は、少し私の方を振り返ってから地面へと倒れこむ。



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