小ネタ集
ホウ仁

(現代パロ)


静かな美しい夜に柔らかな風がふく。
こんなにも月が綺麗な夜は一人で飲むのは勿体ないそう思った。
曹仁は濡縁で酒を呑んでいた。
今は仕事は無く、任務も無い。
久しぶりの休日だ。
このままゆっくりと過ごせると思ったがそれは無理だとわかり。
「何かあったのか張遼?」
背後から自分の相棒が現れた事に直ぐに気付く。
「曹仁大佐、ホウ徳殿がお出でになっておりますが、いかが致しますか?」
「あやつか…上がってもらえ」
曹仁は溜め息をついて答えた。
「御意…」
張遼が姿を消してから数分経つと、背後からホウ徳が現れた。
「夜分にすまないな、どうしても貴方に会いたくてな…」
「ふん、酔狂な奴だ、こんなにも綺麗な夜で過ごす時間も邪魔するのか?」
「こんなにも綺麗な夜だからさ」
ホウ徳は曹仁の隣りに座る。
「何故だ?」
「満月の光は人を惑わせると言う」
「…だから惹かれてきたと言うのか?」
「さあな。只、曹仁殿に会いたいと思った」
「まあいい、呑むか?」
「ありがたく頂く」
ホウ徳は曹仁から酒を注いでもらい呑んだ。
ホウ徳は曹仁を見る。
月明りに照らされた白い肌が妖艶に浮き出される。
漆黒の髪が引き出す色香に惑わせる。
ホウ徳は無意識に喉が鳴った。
曹仁が欲しい。
甘く鳴いて濡れた瞳で俺を見る姿が見たい。
「曹仁殿…」
「どうした、ホウ徳殿?」
ホウ徳は曹仁を濡縁に押し倒していた。
「貴方が欲しくなった」
「クククッ、本当に酔狂な奴だ…」
この私を抱きたい男がいるとは変わった奴だ。
曹仁はホウ徳の首に腕を回す。
「好きにするがいい…」
「子孝殿…」
ホウ徳は荒々しく口付けて曹仁を抱いていった。
微かに曹仁の濡れた甘い声が響く。
妖艶な満月が二人を照らしていたのであった。




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5th.Jun.2011


 
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