小ネタ集
超飛

※羽飛前提です。


どうしてこうなったのであろうか?
張飛は目の前にいる男が自分を押し倒している状況に何が何だがわからない様子で張飛は男を見る。

「重いからどいてくれないか馬超?」
「嫌だ…」
「何だと?」
「俺は張飛殿が好きだ。だから俺を受け入れて欲しいんだ!」

馬超は顔を真っ赤にして呟いた。

「はいぃ?馬鹿、何言ってやがる…」

馬超の突然の告白に張飛は驚きを隠せない様子であった。
視線を合わせるのが何故か恥ずかしくなってそっぽを向いてしまう。

「ずっと貴方を初めて合った時から好きになっただから…俺の気持ちを受け入れて欲しいんだ」
「馬超…でも俺には…」

張飛はそこまで言うと突然唇を閉じて何も言えない。
張飛には恋人がいる。
義兄弟である関羽とは親密な関係であった。
それは馬超も知っていた。

「関羽殿に義理立てしているのですか?」
「違っ、そんなんじゃない…」
「張飛殿が関羽殿のものなのが許せないな…張飛殿に相応しいのは俺だ!」

馬超は突然、張飛に口づけてくる。

「んっ…んん…っ!」

張飛は馬超を無理矢理引きはがすが馬超は張飛の身体を押さえ込み再び唇を奪うような荒々しい口づけが施される。

「んむっ…んんっ、んふ〜っ!」

張飛は荒々しい口づけに翻弄される。
息をするのもやっとの口淫に張飛は流されていく。
馬超の舌が口内をはい回る度にゾクゾクとした悪寒にも似た快感が走る。

「んっ、んあっ…ふぁ…あっ」

唇が解放されると張飛はぐったりと床に沈んだ。
馬超は張飛の頬に掌を宛てると囁いた。

「貴方を関羽殿から奪ってやる…貴方は俺のものだ…」
「嫌だ、馬超…俺には兄者が」
「本当に好きなら助けにくる筈でしょ?貴方が好きじゃないから助けに来ないのだろ…」
「違う、兄者はそんな人じゃない!」

張飛は馬超の言葉を否定するかのようにか言う。

「そのうち、俺の方が貴方に相応しいと思わせてあげますよ…」
「なっ…」

馬超の言葉に張飛は恐怖を感じた。
自分には関羽以外を愛してたくはない。
自分には関羽しかいないのだ。
心から信じているのはただ一人だ。

「雲長を愛してる事は決して揺るがない。それに俺以外の奴の方が馬超に合うと思うんだ…」
「だから諦めろと言うのか?」
「ああ…」
「ふざけるな…俺は本気なんだ!張飛殿は俺のものだ!」

馬超は張飛を抱きしめる腕に力を込め離さないようにしていた。
張飛は馬超の気持ちは痛い程に嬉しいが関羽を愛してる以上は報える事は出来ない。
こんなにも胸が痛むのは久しぶりだ。

「悪い…俺は馬超を好きだがお前を恋人として迎えるのは無理だ…」
「張飛殿…」
「そんなにも貴方の心には関羽殿が占めているのか…」

馬超は悔しさに涙を浮かべていた。
張飛はそんな姿を黙って見ている事しか出来なかった。

「俺は張飛殿を好きな気持ちは変わらない。これからもずっと…」
「馬超…」
「俺は諦めが悪い人間でね。張飛殿に相応しい存在になって今度こそ張飛殿を振り向かせてやるぜ…」

馬超はそう言うと張飛から離れると部屋を出て行った。
張飛は立ち去る馬超をを見つめた。
自分を好きと言ってくれる男を想うと何も言えなくなる。
張飛は微かに走る胸の痛みにただ辛い表現を浮かべる事しか出来なかった。




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26th.Jul.2011


 
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