「俺将来何になろっかな」


屋上のフェンスに三人仲良くよっかかって横に並び仁王が持ってきてくれたシャボン玉で遊んでいたら丸井がいきなりこんなこと呟いた。ちなみに三人で仲良くおサボり中。ちなみにサボろうと提案したのは無論、仁王で。


「どうしたのいきなり」
「いや、なんか」
「パティシエでもなれば?ケーキつくるの上手いんだし」
「あーいいなそれ」
「もしくは世界中のお菓子巡って食べ歩きとか」
「食べたいけど歩くのめんどい」
「このぐうたらめ」
「仁王は夢とかあんのかよ」
「じゃあ俺はホストでNO.1でもとろうかの」
「「……」」
「なんじゃ?」
「いやあまりにもリアルすぎて」
「もちろん冗談だよな?」
「本気じゃよ」
「「まじで?」」


と思ったらいきなり仁王が笑いだした。頭おかしくなったのかとふたりして心配になってたらまだ分からんのか?って言われてやっと気づいた。なんだ嘘か。仁王って冗談で言ってるのか本気で言ってるのか時々分からなくなるからなんかしら怖い。にしても今日ホント暖かいなあ。このまま寝てしまおうかと目を瞑れば寝んじゃねえよってブン太に額を軽くデコピンされた。


「暖かいから眠くなって」
「春だもんなー、桜も蕾になって咲きそうだし」
「俺らが卒業するときには開花してるといいぜよ」
「そっかもうすぐ卒業シーズンか」
「あぁ、もうそんな時期?」
「この三人とも残り少しだね」
「俺らと離れるのが寂しいんか?」
「まさか、そんな訳ないじゃん」
「でも、みんな附属の高校に進学すんだから別に平気じゃね?」


うん、まあ、そうなんだけどさ。もしかしたらこのメンバーでいるのも最後かもしれないじゃん。…なんて言わないけど。だってこんなこと言ったって馬鹿にされるだけだし。あ、シャボン玉終わっちゃった。見ればふたりもちょうど終わったみたい。


「におーもうシャボン玉ないの?」
「また明日持ってくるき」
「絶対ね」
「あーあ、あとちょっとでチャイム鳴るな」
「じゃ幸村や真田にバレる前にそろそろ帰るぜよ」
「えーまだここにいたーい」
「俺もー」
「サボってたことがバレて真田に殴られるのとさっさと退散してここをでるのどっちがええ?」
「楽しかったなー。さ、はやいとこ帰ろうぜ」
「そうだねー」
「ほら立てっか」
「立てるわ」


ブン太に手を引っ張ってもらって立ち上がった瞬間そこでちょうどチャイムが鳴った。このメンバーでシャボン玉できるのあとどのくらいだろう。高校に入学してもまた遊べるかな。先に先頭を歩くふたりの背中を見ていずれはみんな離ればなれになるんだと思ったらちょっと寂しくなった自分がいた。

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