さっきからなんか目の辺りがウズウズして痒いなあと思って手鏡で見てみたら案の定目が真っ赤に充血してた。これは酷い。しかもマスクを忘れるとは。なんてついてない。花粉症って辛い。



「お前その目赤也かよ」
「は?」
「めっちゃそっくり!」
「え、赤也って誰?」
「なぁなぁ写メらして!」
「いやだから赤也って」
「はいちーず」


バコン!!!!

教科書で思いっきり丸井の頭をぶっ叩いたらちょっとスッキリした、あ、やべ。教科書しわくちゃになっちゃった。ってこれ仁王のじゃん。


「のぅ」
「わあ!仁王どどどうしたの?」
「ちゃんと寝とるんか?」
「え、…うん。なんで?」
「目、真っ赤」


みんなに心配されるほどヤバイ目してんのかな。ていうか仁王のしわくちゃな教科書どうしよう。


「失恋したんか?」
「なんでそうなんの」
「何お前失恋したの?」


人の話聞いてねぇし。しかもなんか勝手に私が失恋したみたいになってるんですけど。


「辛かったら泣きんしゃい」
「いや、だから」
「終わった恋には甘いものがいいぜ、ほら飴ちゃんやるよ」
「あ、ありがと」
「なんかあったら頼ってもええ」
「うん、だからね」
「お前の味方じゃから」



お菓子にがめついあの丸井が飴をくれるだなんて。めずらしいこともあるもんだ。というかいまさら花粉症ですとは言えなくなってしまった。どうしよう。

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